ナノテクがLSI,発光素子,MEMSを変える ―― nano tech 2009レポート
tag: 半導体 電子回路 ディジタル・デザイン
レポート 2009年2月25日
●MEMSセンサと周辺回路を1チップ化
日立製作所も,MEMSデバイスを展示していた(写真13).こちらは静電容量型のMEMS圧力センサとアナログ回路,ディジタル回路を1個のシリコン・チップに集積した本格的なLSIである.MEMSセンサと周辺回路を1チップ化することで,MEMSセンサと周辺回路の配線接続に伴う寄生容量や外部ノイズなどを大幅に低減できた.
[写真13] MEMS圧力センサと周辺回路を集積した半導体チップの説明パネル
MEMS技術で構築した静電容量型圧力センサは,絶縁部のギャップ厚が300nmと狭い.外部圧力の変化を上部電極の変形に変換して検出する際に,変形が小さいのでヒステリシスが生じない,という特徴を有する.検出可能な圧力は最大1MPa(パスカル).1000万回の変形の繰り返しを経過しても劣化しない.シリコン・チップ(ダイ)の大きさは3.4mm角.
現在,チップ寸法を1.9mm角に縮小したタイプを開発中である.展示ブースには,試作したチップの実物を展示していた(写真14).
[写真14] MEMS圧力センサと周辺回路を集積した半導体チップ(ダイ)の実物
中央の黄色いトレイに収納されている.上から2段目のチップが3.4mm角のタイプ,上から3段目のチップ(2個)が1.9mm角のタイプ