ディスプレイ内部の信号を高速に伝送するための部品に注目が集まる ―― FPD International 2008(2)

組み込みネット編集部

tag: 半導体 実装 電子回路

レポート 2008年11月 6日

 2008年10月29日~10月31日に開催されたフラット・パネル・ディスプレイ(FPD)に関する国際展示会「FPD International 2008(写真1)では,液晶ディスプレイ内部の高速信号を確実に伝送するための部品にも注目が集まった.

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[写真1] FPD International 2008の会場付近

●差動ペアとグラウンドを束ねて1本にしたLVDS用ハーネス

 日本航空電子工業は,LVDS(Low Voltage Differential Signaling)伝送向けのハーネス「FI-Rシリーズ」を展示した.液晶ディスプレイの中のメイン・ボードとタイミング・コントローラの間を結ぶ.本ハーネスはVESA(Video Electronics Standards Association)の推奨品であり,多数の液晶ディスプレイ・メーカに納入している.

 例えば,フルハイビジョンのディスプレイには51極のハーネス(幅40mm弱,高さ6mm弱)が利用される.写真2のハーネスは21極の品種.数えるとワイヤは8本しかないように見えるが,1本のワイヤの中に差動信号ペアとグラウンドが束ねられている.

 同社のハーネスはノート・パソコンにも利用されている.ノート・パソコンではハーネスに対して薄さが要求され,同社品では1.5mm程度に高さを抑さえている.液晶ディスプレイにおいては,組み立てやすさや堅ろう性が重視されるという.

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[写真2] LVDS伝送向けハーネス「FI-Rシリーズ」の外観

●数GHzの伝送に合わせて特性を調整したコネクタ

 ヒロセ電機は,高速信号用コネクタ「FX16シリーズ」を展示した(写真3).本コネクタは差動伝送に利用されるため,端子について2列構造(2階建て構造)ではなく,1列構造を採用した.1列構造であればコネクタのどの端子についても配線長のばらつきは生じない.さらに,GHzの信号において信号間干渉は最小となるように設計したという.また,FFC(Flexible Flat Cable)や同軸細線のグラウンドとコネクタのシールド板が十分に接触するようにした.

 展示会場では,ビデオ信号発生器からの数Gbpsのディジタル信号を,FFCおよび同社のコネクタに通し,液晶ディスプレイ上の画像が正しく表示される様子を紹介した(写真4).具体的には,ビデオ信号発生器からのDVI信号をLVDSに変換した後,さらにV-by-Oneという600Mbps~3.75Gbpsの信号に変換し,これを同社のコネクタおよび住友電工のFFC「HCD-EXFFC,1m」に通した.その後,V-by-One信号をLVDS,DVIの順に変換し,ディスプレイに表示した.DVI→LVDS→V-by-One→LVDS→DVIの各変換ボードはザインエレクトロニクスから,ビデオ信号発生器はアストロデザインから,波形モニタはアジレント・テクノロジーから借りたものである.

 差動伝送およびLVDSについては,デザインウェーブマガジン2009年1月号で特集します.詳細はコチラ

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[写真3] 最大5.7Gbpsの伝送に対応するコネクタ「FX16シリーズ」

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[写真4] 会場ではコネクタ「FX16シリーズ」に信号を通し,実際に高速伝送ができることを示した

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