マイコン・ボードで電球を点滅させよう ―― ポート出力を使ってAC100Vを制御する

立野 冬樹

tag: 組み込み 電子回路

エレキ系DIY 2008年11月11日

●回路図を見てみよう

 本機の回路図を図2に示します.4個の電球を4個のSSRでスイッチングします.

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[図2] 回路図(クリックすると拡大)

 マジカル・ボックスの表示LEDであるD4~D7は,それぞれマイコン78K0S/KA1+のポート「P23」,「P130」.「P45」.「P123」に接続されていて,'1'で光る仕様です.これらのポートから74HC05をバッファにして各SSRに接続しています.ポートが'1'になると74HC05の出力が'0'になり,SSRの+端子から-端子に電流が流れてSSRがONになり,負荷に接続された電球が光ります.

 74HC05は,一つのICに6個の回路が内蔵されています.今回は四つしか使用しませんので,余った二つは入力をグラウンドに接続しておきます.普通のリレーには極性がありませんが,SSRは制御側に+と-の極性があります.これを間違えるとSSRを壊してしまうことがあるので注意してください.写真4の左下の端子付近をよく見ると,極性が印字されているのが分かります.SSRと74HC05を駆動するための電源5Vは,マジカル・ボックスから供給します(最大で50mA程度).

 回路図中の,赤で書いてある線はAC100Vが通電する部分です.実装時および運用時には感電対策が必要です.

●実装の様子

 まずはマジカル・ボックス側から,ポート信号と電源を引き出す改造を施します.マイコンの形状が小さいのでポート信号の取り出しはやっかいですが,幸いマジカル・ボックスの基板にはマイコンの周りにサービス・ランドがあり,よく見るとシルク印刷でポート番号が表示されています(写真5).目的のポートにそれぞれ線をはんだ付けします.また,電源5Vとグラウンドの取り出し位置は写真6を参考にしてください.右下の黄色い線が5V,黒い線がグラウンドです.

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[写真5] マイコンの周りにはポート番号が印刷されている

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[写真6] ポート信号と電源,グラウンドを取り出した様子

 次に制御基板本体です.今回は小型のユニバーサル基板を使いました.写真7が部品面です.マジカル・ボックスとの接続にはコネクタを使用しています(ポート信号用が4ピン,電源用が2ピン).SSRははんだ付けしただけでは多少グラグラするので,ホットボンドで補強しています.ほとんど熱は出ないので,放熱板は特に付けていません.

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[写真7] 制御基板の部品面

 写真8が裏面の配線の様子です.誤って触れて感電するのを防ぐため,AC100Vの流れる場所は,ホットボンドで絶縁しています.さらに,写真9のようにもう1枚の基板でふたをする形にしました.今回は試作のため,メンテナンスや改造しやすさを考慮してこのような形状にしていますが,本来であればケースに入れてしまうのが最も安全な実装方法です.

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[写真8] 制御基板の裏面(はんだ面)
ポート信号の配線は,面倒でも色分けしておくと間違えにくい.

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[写真9] 制御基板のはんだ面にふたをした様子
実装基板と同じサイズの基板をふたにすると,ネジ穴などの加工が不要というメリットがある.

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