ワイヤレス電力給電技術のセミナと教材キットを企画,原理の学習から実用に近い構成による評価まで

CQエレクトロニクス・セミナ事務局

tag: 実装 電子回路

コラム 2013年2月26日

 CQ出版社では,ワイヤレス電力給電についての実習セミナを定期的に実施しています.また,この実習で使用している教材キットをCQ出版WebShopにて販売しています.ここでは,ワイヤレス電力給電の概要,およびCQ出版社が提供しているセミナ,および教材キットについて説明します.

 

●2007年のMITの発表を契機にブレーク

 ワイヤレス電力給電とは,配線を使わず,非接触で電力を負荷へ供給する電源システムです.約20年ほど前は,トランス(変圧器)の原理を応用して研究・開発がなされていました.いわゆる電磁誘導方式のワイヤレス電力給電です.この技術は,電動歯ブラシやコードレス電話,FA(Factory Automation)制御機器,工場内の搬送用機器などで実用化されました.ただし,電磁誘導方式のワイヤレス電力給電にはいくつかの課題があり,技術的にはそれほど拡がりませんでした.しかし近年は,高効率の電力変換回路やパワー素子の実現,ノイズ対策の材料・部品の進歩など,普及のための基盤が整ってきました.

 2007年には,米国MIT(Massachusetts Institute of Technology)の大学院生だったAndre Kurs氏らのグループが,新たに磁界共振結合(磁界共鳴)方式の非接触電力伝送技術を発表しました.これは従来の電磁誘導方式に付随するさまざまな問題の影響を受けず,遠距離に大電力を送れると思われる方式の発表でした.米国IEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)も「世界を変える技術の一つ」として取り扱い,話題となりました.

 この磁界共振結合方式の発表を契機に,非接触電力伝送技術は世界的な注目を浴びました.ワイヤレス電力給電の利便性があらためて評価され,最近ではスマートフォンや携帯型音楽プレーヤ,水まわりで使われる汎用電子機器や工業機器,EV用充電スタンドなどへの応用が進んでいます.

 

●セミナと2種類の教材キットを企画

 CQ出版社では,注目を集めているワイヤレス電力給電についての実習セミナを企画しました.「ワイヤレス電力給電はどのような原理で動作するのか」,「いくつかの方式があるが,その原理の違いは何か」について解説しています.

 対象聴講者は,ワイヤレス電力給電の原理を知りたいエンジニアや,これからワイヤレス電力給電の応用を考えている開発現場のエンジニアです.

 ワイヤレス電力給電についてのセミナの開催予定はこちら

 また,この実習セミナで使用する教材キットを外販しています.教材キットは,以下の二つがあります.

  • ワイヤレス電力給電実験キット――電磁誘導方式と磁界共振結合(磁界共鳴)方式の原理の違いを学べる教材キット.価格は8,600円(税込)

 ワイヤレス電力給電実験キットのWebShopページはこちら

  • ワイヤレス電力給電実験キット オプション扁平コイル・セット――実用に近い薄型・小型の扁平コイルを利用してワイヤレス電力給電を行える教材キット(上記ワイヤレス電力給電キットのオプション).電磁誘導方式による,並列共振回路と直列共振回路の違いを学べる.価格は7,800円(税込)

 ワイヤレス電力給電実験キット オプション扁平コイル・セットのWebShopページはこちら

 また,ワイヤレス電力給電キットによる実験例を写真1写真3に示します.

 

写真1 ワイヤレス電力給電で携帯電話を充電

 

 

写真2 ACアダプタを使い,電球を点灯

 

 

写真3 共振コイルを使い,ワイヤレス電力給電の距離の違いを確認

 

 

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