CUDA技術を利用したGPUコンピューティングの実際(後編) ―― FFTを利用した光波の伝播(フレネル回折)をGPUで高速計算
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エミュレーション・モードを使用したデバッグ
CUDAのプログラミングを行っているときに,カーネル内の変数の変化などを解析したいことがあります.通常のコンパイル・モードでは,この動きは可視化できません.コンパイル・モードをエミュレーション・デバッグに切り替えることで,printfを使用した可視化が可能となります.
printfデバッグは原始的なデバッグ方法ですが,ブロック番号やスレッド番号,計算途中の値の変化などを可視化できるため,デバッグに威力を発揮すると思います.
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cuファイルのハイライト表示
Visual Studioは,デフォルトのままでは,CUDAのソース・ファイル(拡張子は.cu)のキーワードのハイライト表示を行いません.CUDA SDKにハイライト表示設定用ファイルが用意されており,下記の手順でVisualStudioへ登録を行うことができます.
1.CUDA SDKをインストールしたディレクトリからusertype.datを,Visual Studioのディレクトリ中のC:\Program Files\Microsoft Visual Studio 8\Common7\IDEへコピーする.usertype.datはC:\Program Files\NVIDIA Corporation\NVIDIA CUDASDK\doc\syntax_highlighting\visual_studio_8に存在する.
2.Visual Studioの「ツール」→「オプション」を選択してオプション・ダイアログを開き,「テキストエディタ」→「ファイル拡張子」で拡張子の部分に「cu」と記述する.エディタは「Microsoft VisualC++」を選び,[適用]ボタンを押す.
3.Visual Studioを再起動すれば,cuファイルのキーワードがハイライト表示される.