携帯電話プラットホームは技術者を幸せにしたのか?(4) ―― プラットホームの新展開

吉田 昌平

tag: 組み込み

コラム 2008年10月 8日

 これまで3回にわたり,携帯電話向けの開発プラットホームの変遷について解説してきた.携帯電話が第2世代の終盤から第3世代にかけて大きな進化を遂げるためにはプラットホーム統合が必要であり,それが実現したことは技術者の負担を軽減するためにも効果的であった.今回は,2008年の携帯電話プラットホームの動向と,そこから見えてくる技術者への影響について述べてみたい.

●黒船来襲!

 携帯電話に関する2008年前半の最大の話題は「iPhone」であった.2008年7月にソフトバンク モバイルが販売を始める以前から,iPhoneは十分な話題性を持っていた.今までの携帯電話にはなかった斬新なユーザ・インターフェースや,アプリケーション・ソフトウェアを流通する仕組みとしてWebサービス「App Store」を提供している点,「iTunes」などを介したパソコンやインターネットとの高い連携性は,技術者にとっても新しいビジネスの可能性を感じられるものである.

 国内の携帯電話販売状況はと言えば,新規契約は既に飽和し,買い替え市場も頭打ちである.料金体系の変化という要因も合わせて,決して右肩上がりではなくなっていた.その状況で,ノキア(Nokia社)サムソン(Samsung Electronics)モトローラ(Motorola社)ソニー・エリクソン(Sony Ericsson Mobile Communications社)LG電子(LG Electronics社)といった世界シェアTOP 5(これをBIG 5と呼ぶ)の携帯電話メーカが,各キャリアに対して本格的に進出し始めた.

 その結果として,国内の携帯電話メーカは開発コストをさらに削減する必要に迫られた.当然,技術者の人件費も対象になった.作業の量はそれほど減らないのに,人数を削減され,それまでと同じ結果を求められることによって,技術者の負担は次第に増してきている.

●無償の携帯電話プラットホームが登場

 もう一つ大きな動きがあった.2007年11月にGoogle社が発表した「Android」や2008年6月にNokia社が発表した「Symbian Foundation」といった,オープン・ソース・プラットホームの登場である.

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