携帯電話プラットホームは技術者を幸せにしたのか?(4) ―― プラットホームの新展開

吉田 昌平

tag: 組み込み

コラム 2008年10月 8日

 Androidは,Linuxベースのプラットホームであるという点では,「LiMo Foundation(Linuxベースの携帯電話用OSの標準化を進める業界団体)」のプラットホームと同じだが,高度なユーザ・インターフェース・プラットホームを目指しているという点で異なっている.ただしAndroidは,Limo Foundationで標準化されたプラットホームに準拠するだろうと考えられる.

 Symbian Foundationは,Symbian OSとその上で動くミドルウェア群(Nokia社の「S60」,Sony Ericsson社とMotorola社の「UIQ」,NTTドコモの「MOAP」といった各プラットホーム)を統合して共通プラットホームとし,共通プラットホームと共通ユーザ・インターフェース・フレームワークを無償で提供するという.AndroidとSymbian Foundationの共通点は,OS/プラットホームとユーザ・インターフェースが密接に統合されていることである.

●オープン・ソース・プラットホームがもたらす変化

 プラットホームがオープン・ソースであるということは,携帯電話を開発する側(携帯電話メーカ)にとっては,製造コストに大きな影響が出てくると考えられる.ライセンス・フィーなどが削減でき,ソフトウェア開発キットなども無料で提供されるだろう.ベース・ポート・パッケージやドライバなどもチップベンダから提供される.

 プラットホームを利用してソリューション(製品やサービス,アプリケーション・ソフトウェアなど)を提供するベンダにとっても,オープン・ソース化によって開発の自由度が上がり,多様化するユーザ・ニーズに対応しやすくなるだろう.

 オープン・ソースのプラットホームが成功するかどうかは,ソリューション・ベンダと携帯電話メーカを自分たちのプラットホームに組み込み,市場を先行獲得できるかどうかにかかってくる.一方,技術者にとっては,オープン・ソースになっても携帯電話を開発する基本的な技術には変化はない.今までと同じように,新しいハードウェア技術,サービスなどに対応していくことが必要であるし,品質向上や生産性向上にいろいろなアイデアを出して作業プロセスを改善していくであろう.

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