FPGAの最新技術および動向を紹介するセミナ,金沢でも盛況 ―― 北陸FPGAカンファレンス・レポート

組み込みネット編集部

 FPGAの設計技術および最新動向に関する無料セミナ「北陸FPGAカンファレンス」が,2008年9月19日,石川県地場産業振興センターにて開催された.56名の参加者が熱心に講義に聞き入っていた(写真1).FPGAカンファレンスは,特定非営利活動法人FPGAコンソーシアムが主催し,東京,北陸(金沢),仙台,名古屋,大阪,博多の6都市で開催される技術イベントである.

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[写真1] FPGAカンファレンス北陸の会場内の様子

●ルックアップ・テーブルの構成を元にFPGAベンダ各社の特徴を紹介

 熊本大学大学院 自然科学研究科の末吉敏則氏(写真2)は,「やわらかいハードウェアを取り巻く最新技術動向とその基礎知識」と題して講演を行った.

 CPLDがAND-ORアレイ(プロダクト・ターム)で任意の関数を表現すること,ルックアップ・テーブルの構成がFPGAの面積効率や動作速度に影響すること,回路全体の遅延のうちの60~80%は配線領域で生じていること,FPGAベンダがアプリケーションに合わせて動作速度を重視した品種や演算性能を重視した品種,論理密度を重視した品種をラインナップしていること,などを解説した.

 講演の最後には新興のFPGAベンダを紹介した.SiliconBlue社のFPGAはターゲットを携帯型機器に絞り,TSMCの低電力プロセスを採用していることや,Achronix社のFPGAがpicoPIPEと呼ばれるハンドシェーク型の通信エレメントによって非同期パイプラインを構成することで高性能化を実現することなどを紹介した.

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[写真2] 熊本大学大学院 自然科学研究科の末吉敏則氏

●必要な機能だけを組み込めるソフト・マクロCPUの利点を紹介

 ネクスト・ディメンションの浅井 剛氏(写真3)は,「プログラマブル機能により選択肢が拡がってきた組み込み機器開発」と題して講演を行った.市販マイコンは多方面のアプリケーションに対応するために柔軟性を持ち始めたこと,FPGA向けのソフト・マクロCPUは機能面でほぼフルスペックの状態に到達したと思われること,ミックスト・シグナル対応のFPGAが製品化されたこと,などを紹介した.

 講演の最後には,「必要な機能を必要なだけ組み込め,端子も任意に配置できるCPU搭載FPGAのメリットは大きい.システム設計段階で最適なデバイスを選択し,最高のコスト・パフォーマンスを実現しましょう」と述べて,話を締めくくった.

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[写真3] ネクスト・ディメンションの浅井 剛氏

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