設計品質確保の思想 ――航空宇宙エレクトロニクスに学ぶ「信頼性設計」

檜原弘樹

tag: 組み込み

技術解説 2006年3月28日

●○● Column 1 ●○●
民生用機器と宇宙機器の接点

 人工衛星などの宇宙システムでは,これまで特殊な規格が用いられることが多かったため,テストでは,オシロスコープやロジック・アナライザなどの汎用測定器を除くと,専用の装置が用いられてきました.しかし最近では,RISCプロセッサが搭載されるようになった結果,ICE(in-circuit emulator)やソフトウェアの統合開発環境など,民生用機器の開発と共通のものが使われるようになり,さまざまな技術交流が行われています.

 また,宇宙機器向けのインターフェース規格として,IEEE 1355を改良した"SpaceWire"という規格が提唱されています.これは,FPGAとLVDSバッファがあれば数Mbps~数百Mbpsの通信を容易に実現できるインターフェースです.かならずしも専用デバイスを必要としないことから,写真A-1に示すような低コストの評価装置が共同開発されています.SpaceWireは非常に低コストで実現できるという特徴を備えています.また,故障時にう回路を簡単に実現でき,一本のケーブルでは伝送容量が足りない場合に動的に複数のケーブルを用いて大容量データを送ることができます.そのため,マルチメディア通信機器や車載機器の関係者からも関心が高く,宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究本部内にSpaceWireユーザー会が発足しています注A-1

 注A-1http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/の「SpaceWireを用いた次世代アーキテクチャ」を参照.

p01_01.jpg
写真A-1 SpaceCube  提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
SpaceCubeは外形寸法が52mm×55mm×55mmのコンピュータで,T-Engine仕様と互換性のあるT-Engineアプライアンスである.100Mbps以上の通信レートを有するポートを三つ備えている.また,ディスプレイ,キーボード,マウスを接続すると電子プレゼンテーションも可能.EthernetやUSBのポートも備える.これにSpaceWire(宇宙機器向けインターフェース規格)のアナライザが実装されたテスト装置として,販売が予定されている.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日