P板.comで基板を作ってみた②

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だいぶ時間がたってしまいましたが、その後の状況をお知らせします。

EAGLEで作ったパターン図からガーバーデータを作成し、基板を発注しました。

出来上がってきた基板がこれです。

早速、部品をつけて、動作確認してみると、なんだかうまく動きません。
特にコンソールに使用しているシリアル通信でエラーが大量発生して、まともに通信ができない状況。

原因を探すために、まずはシリアル通信ラインをオシロスコープで見てみると....すごい量のノイズが発生しています。
通信できないのはこれが直接原因なのですが、なぜ、こんなことになっているのか更に調べてみると、電源からノイズが出ていました。
約1V程度のリップルが発生しています。(これじゃ動かないのはあたりまえ)
せっかく基板を作ったのに、何で???? と思いながら、原因を探すため、コンデンサや抵抗の定数を確認しましたが、間違っていません。

とりあえず、対処療法で動くようにしようということで、出力段にコンデンサをつけたりしても、全く収まる気配がありません。
もう、お手上げかな?と思いながら、データシートを読んでいると...

入力コンデンサ(上図のVinとGND間にある4.7uFのコンデンサ)はLT1912とキャッチダイオードの近くに無いと働かないと書かれています。現在の基板だと、入力電源のコネクタのそばについていて、LT1912からは、かなり離れた位置にあります。

 

これが原因かな?っと思って、LT1912の近くに移動しようとしましたが、パターンが小さくてなかなかつけられるところがありません。(小さなコンデンサや抵抗は1005サイズなんです。1608サイズにしておけばもうちょっと楽だったか...あまり変わらない?)

でもパターンを良くみると...裏側に何とか着けられそうな部分が!!

ここに銅箔テープでランドを作れば、コンデンサが乗せられるだろう、ってことで、以下のようになりました。

あまり美しくないですが、動かないことには何もできないので、我慢です。

これで電源のノイズを見てみると、しっかりとリップルが収まっています。
皆さん、データシートは良く読みましょうね!!
ついでにデータシートには、推奨パターン図も掲載されていました、この通りに部品配置しておけば、苦労しなかったのに~...でも、トラブルも楽しいものです。

これで、シリアルラインのエラーは収まるかと思ったら、通信はできるけど、まだシリアルラインのノイズが多い状態(たまにエラーになる)。
何でかな~と、パターンを良く見たら、RS-232Cドライバ/レシーバ(ADM3202)の電源につけたパスコンが、はるか遠くに実装されています。(あちゃ~、パターンを通すことに夢中になって、パスコンの場所まで気が回りませんでした)

これは、ADM3202の16,15ピンに直接コンデンサをつけて解決。 無事、動作しました。

せっかく作った基板ですが電源周りの動作を考えると、推奨パターンにしたほうがよさそうなのと、このほかにいくつか間違っていて、改造線が数本入ってしまったので、作りなおすことにしました。
回路図を修正して、パターン図を作って、再発注です。

きれいに出来上がりました。

今回の失敗は、データシートをよく読まなかったことと、受動部品はその配置によって、思った通りの機能を果たさないということがパターン設計時に抜けていたことで、部品配置は重要ですね。
ハードウェア技術者なら常識なのでしょうが、ソフトウェア技術者だと、繋がっていれば動くだろうって思ってしまって、そんな考えで作ると、こんなことになるっていう見本になってしまいました。

次回は、完成品を紹介します。

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