「環境」と「安全」を両立させた最先端の乗用車に注目――人とくるまのテクノロジー展(自動車技術展)2013

福田 昭

tag: 組み込み 電子回路

レポート 2013年5月31日

●クリーン・ディーゼルとミリ波レーダを搭載

 マツダも,環境と安全の両方に配慮した乗用車「マツダ アテンザ」を展示していた(写真11).環境面では,2.2リットルのクリーン・ディーゼル・エンジンを搭載し,JC08モード走行で20km/リットルと良好な燃費を達成した.

 

写真11 「マツダ アテンザ」の説明パネル

 

 

 安全面では,「i-ACTIVESENSE」と呼ぶ,運転者の認知支援と衝突回避,被害軽減を目的とした安全システムを搭載した(写真12).前方視界に対しては,可視光カメラを使用した「車線逸脱警報システム」,76GHzのミリ波レーダを使用した「スマート・ブレーキ・サポート(先行車との衝突を回避する自動ブレーキ・システム)」,近赤外レーザを使用した「AT誤発進抑制装置」などを装備している(写真13).後方視界に対しては,24GHzの準ミリ波レーダを使用した「リアビークル・モニタリング・システム(後方および隣のレーンからの接近車両を検知するシステム)」を搭載した.

 

写真12 マツダが開発している安全システムの考え方

 

 

写真13 前方視界と後方視界を対象とした安全技術の説明パネル

 

 

 展示ブースでは,可視光カメラと近赤外レーザ,76GHzのミリ波レーダ,24GHzの準ミリ波レーダの実物を展示し,来場者の注目を集めていた(写真14).

 

写真14 前方視界と後方視界の認知を支援する部品.左からミリ波レーダ,近赤外線レーザ,カメラ,準ミリ波レーダ

 

 

●ヘッドアップ・ディスプレイに各種の情報を表示


 大手自動車部品メーカのデンソーも,安全技術をいくつか展示していた.中でも来場者の興味を引いていたのが,フロントガラスのヘッドアップ・ディスプレイに時速や操作パネルなどの情報を表示し,運転者が視線をあまり移動させることなく,各種の操作を可能にしたシステムである(写真15).同社のブースでは,試作システムを来場者が操作できるようにしていた(写真16).

 

写真15 ヘッドアップ・ディスプレイの説明パネル

 

 

写真16 ヘッドアップ・ディスプレイを来場者が体験できる


 

 

 また画像センサ(カメラ)とミリ波レーダを組み合わせた前方視界のセンシング・システムを展示していた(写真17).割り込み車両の検知,車線認識,道路標識認識,歩行者認識といった機能を備えている(写真18).

 

写真17 前方視界をセンシングし,走行環境を認識する仕組み

 

 

写真18 走行環境の認識結果例

 

 

●安全技術を装備した大型トラックの実物を展示


 トラックやバスなどの大型商用車でも,安全装備の展示が目立っていた.例えばトラックメーカのUDトラックスは,大型トラック「Quon」のトラクタヘッドを実物展示し,安全技術をアピールしていた(写真19).ミリ波レーダで前方車両との衝突の危険性を検知して自動的にブレーキを作動させるシステムや,コーナで駆動力とブレーキを制御することでジャック・ナイフ現象(大型トラックなどのけん引自動車が,トラクタ・ヘッドとトレーラの連結部を中心に折れ曲がる現象)や車両の横転などを抑制するシステムを搭載した(写真20).

 

写真19 大型トラック「Quon」のトラクタヘッド

 来場者が運転席に座れる.

 

 

写真20 大型トラックの安全技術(アクティブ・セーフティ)を説明したパネル

 

 

ふくだ・あきら
フリーランステクノロジーライター
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