見直される燃料電池車,2015年に市販を開始へ ―― FC EXPO 2013
●燃料電池自動車の展示に来場者が殺到
FC EXPO 2013では先ほど紹介した業界団体の「水素供給・利用技術研究組合(HySUT)」が,FCVの実物車両を展示したほか,燃料である水素の供給インフラを説明するパネルを数多く展示していた.来場者の関心は高く,通路まで人があふれて,場所によっては身動きが困難になるほどだった(写真4).
HySUTのブースにFCVの実物車両を展示したのはトヨタ自動車,日産自動車,本田技研工業の3社である.トヨタ自動車はセダン(ハッチバック)タイプFCVのコンセプトモデル「FCV-R」を展示した(写真5).FCV-Rの外形寸法は全長4745mm×全幅1790mm×全高1510mmm,ホイール・ベース2700mm.乗車定員は4名である.ボディは専用設計であり,床下に燃料電池ユニットを配置した.航続距離はJC08モード走行で700kmを超えるという.2015年に市販を開始するセダン・タイプのモデルは,FCV-Rがベースとなる.価格は未定だが,500万円~600万円になるもよう.
日産自動車は,SUV(Sport Utility Vehicle)タイプのFCV「X-TRAIL FCV」のカット・モデルを展示していた(写真6).2010年の水素・燃料電池展「FC EXPO 2010」に展示していたものと基本的には同じカット・モデルである(FC EXPO 2010のレポート記事を参照).展示していたモデルは2005年12月発表の「X-TRAIL FCV」(2005年モデル)でそれほど新しくないのだが,全長4485mm×全幅1770mm×全高1745mmのボディに5名を乗せることができる.
本田技研工業は,セダン(ハッチバック)タイプのFCV「FCXクラリティ」を展示していた(写真7).FCXクラリティの外形寸法は全長4855mm×全幅1845mm×全高1470mm,ホイール・ベース2800mm.乗車定員は4名である.航続距離は10・15モード走行で620km.展示車両は後部荷室内に可搬型インバータ・ボックスを取り付けてあった(写真8).この可搬型インバータ・ボックスを介して外部に商用電力を供給できる(写真9).