フルディジタル・スピーカや超小型部品などに注目 ―― CEATEC JAPAN 2012
●0201サイズのコンデンサとコイル,03015サイズの抵抗が登場
村田製作所は,外形寸法が0.25mm×0.125mm×0.125mm(0201サイズ)ときわめて小さなチップ・コンデンサとチップ・インダクタを開発し,参考展示した.チップ・コンデンサは,0201サイズ品と1005サイズ品の両方を顕微鏡で拡大して液晶モニタに映しだし,大きさの違いが来場者に一目で分かるように展示していた(写真15).チップ・インダクタは,0201サイズ品のサンプルを顕微鏡で拡大した像を,来場者が接眼レンズを通じて観察できるようにしてあった(写真16).
写真15 1005サイズ(左)と0201サイズ(右)のチップ型積層セラミック・コンデンサ
ロームは,外形寸法が0.3mm×0.15mm×0.1mm(03015サイズ)と小さなチップ抵抗器「SMR003」を開発し,参考展示していた(写真17).はんだ付けによってプリント基板に数多くのチップ抵抗器を実装した状態を,カメラで撮影して液晶モニタに映していた(写真18).すでに実装の評価に入っており,近く量産に入ることをアピールする展示だった.
写真17 外形寸法が0.3mm×0.15mm×0.1mm(03015サイズ)と小さなチップ抵抗「SMR003」の説明パネル
写真18 03015サイズのチップ抵抗器を評価用プリント基板にはんだ付けした状態
ロームはまた,外形寸法が0.4mm×0.2mm×0.12mm(0402サイズ)と小さなチップ型ツェナー・ダイオード「SMD0402」を開発し,参考展示した(写真19).従来品である0.6mm×0.3mm×0.3mm(0603サイズ)のダイオードに比べると,0402サイズの体積は18%しかない.といっても両方とも小さすぎて,一見しただけでは違いが分かりにくい.そこで,それぞれのチップを20万個ずつ内蔵した砂時計を作り,体積の違いを分かりやすく示していた(写真20).
写真19 外形寸法が0.4mm×0.2mm×0.12mm(0402サイズ)と小さなチップ型ツェナー・ダイオードの説明パネル
写真20 チップ・ダイオード20万個を砂粒の代わりに利用した砂時計
右側の砂時計には0603サイズ,左側の砂時計には0402サイズのダイオードが詰まっている.右側の砂時計では砂粒がほぼ満杯であるのに対し,左側の砂時計は砂粒がわずかしか入っていない.体積の違いが一目で分かる.
ふくだ・あきら
フリーランステクノロジーライター
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