みんなで電気自動車を組み立て,走らせた! ―― CQエレクトロニクス・セミナ「実習・コンバージョンEV組み立て体験」

Tech Village編集部

tag: 電子回路

レポート 2012年9月21日

 CQ出版社は,2012年9月16日,東京・巣鴨の同社セミナ・ルーム/駐車場にて技術セミナ「実習・コンバージョンEV組み立て体験」を開催した.コンバージョンEVとは,ガソリン・エンジン車のエンジンをモータに,ガソリン・タンクをバッテリに積み替えたEV(電気自動車)である.CQ出版社の技術セミナの中には,はんだゴテを使う実習コースはいくつかあるが,スパナとレンチを主に使うものは今回が初めて.

 講師はオズ・コーポレーションの古川 治 氏である.同氏はベンチャ企業を立ち上げて,コンバージョンEVを事業化している.

 コンバージョンEVを組み立てていくのは,時間も労力もかかって,さぞかしたいへんだろうと思われるかもしれない.しかし古川氏が提案する「ボルトオン手法」を使えば,キット化されたモータや電池のモジュールを既存の車体に組み込んで,「まさに,ボルトを締めるだけで簡単に組み立てられる」という.EVの実車をともかく簡単に作りたいという方には,最適な方法だ(写真1).

 

写真1 下準備が終わったスズキ・キャリィ

キット化により,モータ+ミッション+コントローラが一つの完成ユニットとなっている(写真の下側).荷台には電池ユニットの箱がある.

 

 

 

●まず安全対策などを解説

 午前中はセミナ・ルームで講義が行われた.コンバージョンEVをつくるための基本方針の決定方法,安全対策,昨年APEV(電気自動車普及協議会)が発表したコンバージョンEVガイドラインの概要,モータやバッテリ,コントローラの選定方法などが解説された(写真2).講義が終わると,受講者は作業場所となるCQ出版社の屋内駐車場へ移動して,実習環境の下見を行った(写真3).

 

写真2 まずは講義から

 

 

写真3 講義が終わると,駐車場へ移動して下見

 

 

●エンジン・ユニットを取り付ける

 午後からは,いよいよ組み立て作業.作業着やつなぎに着替えて,コンバージョンのターゲットとなる自動車,組み込んでいくモータ・モジュールや電池モジュールの説明が行われた(写真4).

 

写真4 説明のあと,一人一人が間近に見て構造を確かめた

 

 

 続いてモータ・ユニットの入る場所をチェック(写真5).車体からエンジンが下ろされていたので,「エンジンを下ろす作業は難しいのですか?」との質問が出た.講師によると「エンジンを下ろすのはモータを組み込むよりも簡単.ただし,オイルを抜く作業があり,完全に抜き取ることが困難.受講者の皆さんが油まみれになる恐れがあるので,今回は事前にエンジンを下ろしておきました」とのこと.

 

写真5 モータ・ユニットの入る場所をチェック

 

 

 次に,車体の下からモータ・ユニットを組み込んでいく(写真6).

 

写真6 位置合わせを行いながら組み付ける

 

 

 そして,位置を確かめながらジャッキで徐々に持ち上げた(写真7).作業は,一人だけで進めることのないように,受講者が交代しながら行った.

 

写真7 ジャッキでモータを徐々に上げていく

「このジャッキは,円弧を描いて上がる.真上には上がらない」と講師(右側)から注意が飛ぶ.

 

 

 講師の古川氏は潜る場所を変えながら,その場その場で指示を出した.受講者はその様子を車体の下に潜りながら見つめていた(写真8写真10).

 

写真8 講師の古川氏(背中)から次々と的確な指示が飛ぶ

 

 

写真9 大勢が車の下に潜っている(皆さん熱心!)

 

 

写真10 作業のなかで,受講者は位置を入れ替わっていく

 

 

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