テスラからEVエコラン,EVスクータまで多彩なEVが集合 ―― 全日本 袖ヶ浦EV50Kmレース大会(1)
ここでは,5月27日の日曜日に千葉県袖ヶ浦市の袖ヶ浦フォレスト・レースウェイにて開催された「全日本 袖ヶ浦EV50Kmレース大会」について報告する.
この日は朝から無風の快晴.暑くなりそうだ.9時には袖ヶ浦フォレスト・レースウェイに着きたい.ただ,4月にオープンしたばかりの大きなショッピング・モールがそばにあるので,東京湾アクアライン(東京湾縦断道路)の渋滞が心配である.とはいっても,ショッピング・モールの開店は10時.日曜日といえどもそんなに早くから行く人はいないだろう.その30分程度前に通過すればいい.そう思って7時に自宅を出発.
恐れていた渋滞はなく,8時30分には会場に着いてしまった.駐車場はすでに多くの車で埋まっている.今回は,「全日本EV50kmレース(第2戦)」だけでなく,「EVシングル・シータ・エコラン・グランプリ,2時間レース(第2戦)」,「EVスクーター・エコラン・グランプリ,35分レース」も開催される.前回4月のレースのときの倍以上の車がすでに到着していた(写真1).
8時半からレース参加者へのブルーフィングが種目ごとに始まっていた.レースのドライバと監督(責任者)はブリーフィングに参加しなければならない.ここであらためて,レース運営上の注意が示される.また,競技規則・運営についての質疑応答も行われる.今回は晴天で,気温の上昇が予想されるので,エコランのドライバに対して,それぞれ脱水症状に陥らないよう給水などの対策を施すように,との強い指示があった.シングル・シータの一部の種目では規則に対する質問・異議がでて,その場で参加者と事務局が議論し,結局,競技規則の変更が決まった.予定時間を超えてブリーフィングは続いた.参加者も主催者側も熱いなぁ.
●EV50kmレースに13台がエントリ
ブリーフィングの様子を聞きながら,今日のレースのエントリ・リストを見てみると,EV50kmレースには13台がエントリしている.このレースは,バッテリで駆動するモータ(電動機)動力車が参加するものだが,モータの出力などによりクラスが分かれていて,表彰はクラスごとに行われる.内訳は以下のとおり.
- EV-1クラス:市販車でモータ最大出力100kW以上(テスラ2台)
- EV-2クラス:市販車でモータ最大出力50kW以上100kW未満(リーフ5台)
- EV-3クラス:市販車でモータ最大出力50kW未満(i-MiEV4台)
- EV-Cクラス:市販車改造クラス(コンバージョン・カー2台)
前回(4月8日の第1戦)2台の参加があったBMW mini Eが今回参加していないのはちょっと残念.BMWのEV実証実験用として日本に20台やってきたのが2010年だったので,もう実験は終了したのかもしれない.コンバージョン・カーでは,トヨタAE86レビンをコンバージョンした千葉自動車大学校チームと,スズキのマイティボーイをコンバージョンしたコスモウェーブ・チームが参加している.
●フリー走行から公式予選へ
「EVスクーター・エコラン・グランプリ,35分レース」のブリーフィングが続く中,レース場内には「EVカー」の15分間のフリー走行をスタートする,との放送が流れてきた.ブリーフィングを中座して,ピット上のデッキに出てみることにした.
フリー走行とは試走のことだ.袖ヶ浦フォレスト・レースウェイは1周2436m,コーナ数14,最大斜度4.2%,高低差12mというJAF公認のレーシング・コースである(図1).実際にコースを走ることで,ドライバは今日の車とコースの状況を身体で確かめるのである(写真2).