「ユーザ参加型」のオンライン学会を開催 ―― 第1回ニコニコ学会βシンポジウム
●怒涛の研究100連発
第3のセッション「研究100連発」では,東京大学 教授の五十嵐 健夫氏,明治大学 准教授の宮下 芳明氏,京都大学 特定准教授の中村 聡史氏,お茶の水女子大学 特任助教の塚田 浩二氏,東京大学 教授の暦本 純一氏といったユーザ・インターフェースの研究者5人が,それぞれ20件ずつ研究を発表した.
発表された研究内容は次の通り.
【東京大学 五十嵐 健夫氏(写真5)の発表】
- 描いた線を補正してくれる賢いお絵描きツール「Pegasus」
- 書き込んだメモを自動でグルーピングし,グループ単位で移動できるツール「電子白板システム Flatland」 (写真6)
- アイコンの空間的なまとまりを検出して整理できるツール
- スクロール速度に合わせてズームイン/ズームアウトを自動制御するツール
- 声(音響信号)で操作できるアクション・ゲーム「VOICE GAMES」
- 画面上の遠い位置にあるアイコンのクリックを楽にするためにカーソルを複数個表示できるツール
- 3次元空間で進行するべき軌跡を指定するとそれに合わせてCGキャラクタが移動しできるツール
- 室内に配置したタグを読み取って作業するロボット
- 決められた手順通りにTシャツをたたむロボット
- 2次元でスケッチしたものをふくらませて3次元画像を作成できるツール「Smooth Teddy」
- 3次元CGの人形に布を着せ付けられるツール
- 3次元空間に配置したキー・フレームを動かしてCGキャラクタを操作し,アニメーションを簡単に作るツール
- 折り重なり順を認識して,画面上でひもを結べるツール
- 手描きスケッチからぬいぐるみを対話的にデザインし,型紙まで作れるツール「Plusie」
- 鉄板を切り取って鳴る音をシミュレーションできるツール
- 画面に表示された人間の髪を自在にカットできるツール
ほか
写真5 東京大学 教授の五十嵐 健夫氏
くまのぬいぐるみ持参で講演を行った.
写真6 「電子白板システム Flatland」

【明治大学 准教授 宮下 芳明氏(写真7)】
- 動画の進行具合を示すシーク・バーを拡張し,再生内容を編集できるシステム「SeekRopes」
- 書道家の筆のにじみやかすれ具合をトレースし,同じようなグラデーションで文字が書けるシステム「サンプリング書道」
- ヴァイオリン協奏曲とユーロ・ビートを交ぜた舞曲
- 汎用的に活用できそうな五拍子のループ素材集「4++」
- パンを冷蔵庫に入れればカビが生えないかどうかの研究
- シダの胞子がどのような環境で生き続けられるのかの研究
- ニコニコ動画に付けられたコメントの量から楽曲のサビを検出するツール
- ニコニコ動画の二つの動画を,それぞれのコメントのピークが重ならないように表示するツール
- 不正確なプログラムを好意的に解釈して自動修正してくれるプログラミング環境「HMMMML3」
- 断線個所を自動的に結線してくれるブレッドボード「HMMBB」(写真8)
ほか
写真7 明治大学 准教授の宮下 芳明氏

写真8 断線個所を自動的に結線してくれるブレッドボード「HMMBB」
