EVのエンデュランス(耐久走行)を見た! ―― 第9回 全日本 学生フォーミュラ大会(4)
金沢大学の入れ替わりで静岡理工科大学のマシンが入ってきた.昨日のオートクロスもいい走りだったし,ここでは大いに期待したい.
スタート・フラグが振られた(写真9).出た瞬間,ほとんど音もなく加速し,最初のカーブを一気に減速して回り,スラロームに入って,観客席からどよめきが起こった.「速い!音もしない!」という声が上がる.何周目かに1分10秒を切った(写真10).ガソリン車の中でも速い記録だ.その調子を崩すことなく,10周して戻ってきた.ここでドライバ交代のタイミングだが,交代ドライバは用意されておらず,ここで午前のEVのエンデュランスは終わった.
写真9 スタートした静岡理工科大学のEV

写真10 スゴイ! ラップが1分8秒とはいい記録だ!

ふと気付くと,東大チームが固まってそのデモ走行を見ていた.感想を聞くと「立派な走行でしたね...」ちょっと悔しさが表れていた.来年は,彼らもきっとここに出ているだろう.
午後には静岡大学のEVがエンデュランスを行う予定だというが,ここで会場を後にした.
●エピローグ ―― 9月9日
静岡大学チームのエンデュランスを見ることができなかったのは残念だったが,後日メールで,「時間の都合で7周に制限されたが,完走し,最高ラップタイムは1分11秒49だった」と聞いた.これも,すばらしい!
実は翌朝,会社のデスクにいたら電話がかかってきた.出ると,「東大の○◇です.今どこにいますか? 今日の午前中,エンデュランスで走行しますよ!」.明るい声だ.あれ,モータは焼いてしまったのでは?「同じモータが大学にあるのを発見したんです.さっき持ってきて付け替えたので,走行できます....写真を撮ってほしかったのですが...」.それは良かった! しかしこっちは,朝から通常のデスク・ワークに戻っている,これから静岡にはとても行けないが,勇姿を撮って送ってよ,ということで送ってきてもらったのが次のものだ(写真11,写真12).
写真11 東大チームのエンデュランス(1枚目)

写真12 東大チームのエンデュランス(2枚目)

写真をどうもありがとう!!
さらなる後日談 ―― 東大F先生のところに取材に行った際,このエピソードを話したら,「その話は知っている.というか,その見つけたモータは,実は私の研究室にあったモノなんだよ....しかも,そのモータも少し燃やしたみたいだ...」.
まの・もとき