放熱性を高めたビルドアップ基板や分解コーナなどに人だかり ―― JPCA Show 2011
●トッパンNECの技術ロードマップに来場者が注目
トッパン NEC サーキット ソリューションズは,同社が開発しているプリント基板技術の技術ロードマップと採用事例のベア・ボードを展示した(写真6~写真8).技術ロードマップは2011年~2013年の基板仕様の推移を示したもの.高密度多層プリント基板,ビルドアップ基板,モジュール用基板のロードマップが示されており,来場者が熱心にメモをとる姿がみられた.採用事例のベア・ボードには,NECが開発したスーパコンピュータ「SX-9」のメモリ・カード基板などがあった.
イビデンは,スマートフォンに適したプリント基板技術をパネル展示していた(写真9).全層ビアのビルドアップ基板技術,キャビティ基板技術,リジッド・フレックス基板技術で構成される.ビルドアップ基板でビア密度と配線密度を高め,キャビティ基板で実装空間を薄くし,リジッド・フレックス基板でコネクタを省いて実装容積を減らす.展示ブースでは,10層の全層ビア・ビルドアップ基板の内層にフレキシブル基板を挟んだリジッド・フレックス基板の断面をルーペで観察できるようにしていた.
●スマートフォンや車載ECU,液晶テレビなどを分解展示
このほか,「電子機器分解特別展示コーナー」と題する特別展示コーナが設けられていた(写真10).液晶テレビやノート・パソコン,携帯電話機,タブレット型パソコン,自動車エンジン制御ECU,電子ブック端末などを分解し,実装基板を観察できるようにしたコーナである.一部は来場者が手で直に触れられる分解物もあった.このコーナには多くの来場者が詰めかけ,電子機器の内部を熱心に観察する来場者で混雑していた.
ふくだ・あきら
テクニカルライター/アナリスト
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