コンデンサやベアチップに続いて,LED,RFID,2次電池もプリント基板の内層へ ―― JPCA Show 2010レポート

福田 昭

tag: 実装 電子回路

レポート 2010年6月 7日

 プリント基板技術と実装技術に関する総合展示会「JPCA Show 2010(第40回国際電子回路産業展)」が2010年6月2日~4日に東京ビッグサイトで開催された(写真1).3日間の来場者数(実登録者数累計)は3万2819名で,前回(2009年)の2万8545名を上回った.


写真1 東京ビッグサイトの入口に置かれたJPCA Show 2010の案内パネル
 


 JPCA Showは毎年初夏に,東京で開催されてきた.今回のJPCA Showでは,プリント基板の内層に受動部品や能動部品などを内蔵する「部品内蔵基板」の展示が目立っていた.部品内蔵基板が登場した当初は,チップ型の積層セラミック・コンデンサを内蔵することが多かった.多ピンLSI用パッケージの代表であるBGAパッケージの基板にコンデンサ内蔵基板を採用することで,電源回路の安定性を高めた.コンデンサ内蔵基板ではLSIチップとコンデンサの距離が短い.このため,バイパスの効果を高められた.

 その後,CSP(Chip Scale Package)封止の小型LSIとチップ積層セラミック・コンデンサ,またはシリコンLSIチップ(ベアチップ)とチップ積層セラミック・コンデンサの両方を内蔵する基板が実用化された.これにより,限られた基板面積に搭載できるLSIチップの数を増やせた.

 今回のJPCA Showでは,こういった部品内蔵基板に新たな部品を搭載した展示が相次いだ.発光ダイオード(LED)チップを埋め込んだり,RFIDタグを埋め込んだり,2次電池を埋め込んだりした基板である.


●プリント基板にLEDを埋め込む

 LEDチップを埋め込んだ基板を展示したのは,日本シイエムケイである.LEDチップとトランジスタ,LSI,受動部品を内蔵した部品内蔵基板を開発し,実物を動作させていた(写真2).展示していた基板は,赤色LEDと緑色LED,チップ・コンデンサ,チップ抵抗器,トランジスタ,QFP封止のマイコンを内蔵する.量産時期や具体的な用途などは明らかにされなかったが,動作基板を見たところでは,アミューズメント機器のモジュール基板に使われるようだ.LEDの基板内蔵は顧客の要望によるものだという.


写真2 LEDチップとトランジスタ,LSIを内蔵した部品内蔵基板
 上部の写真は基板内部をX線で撮影した画像.下部のプリント基板ではLEDを実際に動かしてみせていた.プリント基板の裏面に電池を装着してある.  

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