プリント基板の組み立て工場を見る(後編) ―― フロー工程,検査と人手による作業,実装工程を意識した回路設計技術
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技術解説 2010年11月12日
8.フロー工程1 ―― リード部品の実装
リード部品の実装では,アキシャル部品とラジアル部品で異なる装置を用います(図6).
(a) アキシャル機
(b) ラジアル機
図6 リード部品の搭載
アキシャル部品とラジアル部品で異なる装置を用いる.
リード部品の実装ラインの様子
アキシャル機では,アキシャル部品のリードをカット・成型してプリント配線板に挿入します.そして,裏側でリードを曲げ,配線板から外れないように固定します.実装速度は機種によって異なりますが,1秒当たり2個くらいです.
アキシャル機に装着されたアキシャル部品
アキシャル機によるアキシャル部品の実装
ラジアル機ではラジアル部品のリードをカットしてプリント配線板に挿入します.そして裏側でリードを曲げ,配線板から外れないように固定します.実装速度は機種によって異なりますが,1秒当たり2個くらいです.
ラジアル機に装着されたラジアル部品
ラジアル機に送り込まれるラジアル部品
ラジアル機によるラジアル部品の実装
アキシャル機もラジアル機も,1台当たり数十種類の部品を搭載できます.しかし,機種によっては部品を実装可能な角度に制約があることがあります.例えば部品の装置への供給角度を0°としたとき,プリント配線板へ実装できる角度が0°または90°に制限されてしまう装置があります.180°や270°に実装したい場合は,部品の装置への供給方向を変えなければなりません.このような場合には,同じ部品を1台に複数セットしなければならなくなります.
このような点から,アキシャル機やラジアル機による実装では,部品が多すぎるために同じ機械を2回に分けて実装しなければならない手間をなるべくなくしたり,実装角度をそろえたりするなどの考慮が必要です.
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