筐体の製造工場を見る ―― 板金加工と樹脂加工の概要
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技術解説 2010年10月21日
●曲げ加工
切り抜いた鋼板を曲げていきます.ブレーキ・プレスという機械を用います(写真6).
写真6 ブレーキ・プレス
油圧により曲げ加工を行う.
ブレーキ・プレスは,油圧により曲げ加工を行います.展開図のような形状になっている板材を曲げていくことで,箱型の形状が出来上がります.
●プレス加工
切って曲げるのとは違い,板材を型(写真7)に当てて,強い圧力をかけることで形を作る方法をプレス加工といいます.プレス機という機械を使って加工を行います(写真8).しぼり加工とも呼ばれています.
写真7 板金型
プレス可能で用いる型である.
写真8 プレス機
強い圧力をかけることで形を作る.
ほとんどの場合,一度のプレス加工では,所望の形状を得ることはできません.何回も型を変えながら形を作る必要があります.
鍋のような形状も,プレス機によって作ることができます.
●スポット溶接/溶接
板材を曲げて箱を作る場合,接着が必要になります.この接着を行う工程が溶接です.
溶接は,それぞれの板金を溶かして,接続してまた固めるという方法で接着します.
薄い鋼板などをアークによって溶かして接続するスポット溶接という方法もあります(写真9).
写真9 スポット加工
薄い鋼板などをアークによって溶かして接続する.
●追加加工
箱らしい形ができた後,穴を開けたり,ネジ止めのための溝を切ったり,研磨したり,バリをとったりする仕上げの工程があります.必要な作業は製品によって異なり,加工する形状も異なるため,手作業になるのが普通です.
●洗浄
加工が終わったら,加工の際に付着した油を除去したり,溶接時のこげ跡をきれいにするために,洗浄を行います(写真10)
写真10 洗浄
加工の際に付着した油を除去したり,溶接時のこげ跡をきれいにする.
●塗装
必要に応じて塗装を行います.塗装は,板金の保護の目的もあります.ステンレスのようにさびない素材であれば,無塗装のものもあります.
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