クラウドサービスと組み込み機器を簡単に融合させるLANTRONIX「VIP Access ソフトウェア」
tag: 組み込み
2010年9月21日
クラウドというネットワーク上で提供される様々なサービスが一般的になりつつあります.企業の業務に関連したサービスだけではなく,家庭での省エネ対策や,個人の健康管理なども,今後はネットワークと接続されて様々なサービスが受けられるようになっていくと見られています.今回は,VIP Access ソフトウェアという,クラウド・サービスと組み込み機器を簡単に融合させることができる,組み込みLinux上で動作する通信ミドルウェアについてご紹介させていただきます.
●クラウドと組み込みLinux
昨今,クラウドという言葉を聞かない日はないと言うぐらい,ネットワーク経由で提供されるサービスが次々と発表されています.主流となっているのは企業の業務支援(営業活動支援やメールサービスなど)や業務処理といった,従来企業内の情報管理部門が行っていた業務ですが,最近では組み込み機器からの情報を使って省エネ監視や健康管理などのサービスを行おうという動きも活発になってきています.
例えば,ビルや工場の各所に設置されている電力計や温度センサーからの情報をモニタリングすることで,電力使用状況の見える化を実現し,省エネ対策のコンサルティングをサービスとして行う事業や,家庭に設置された体重計や血圧計などの情報を集めることで,個人向けに健康に関するアドバイスを行うようなサービスなどが,始まりつつあります(図1参照).
図1 組み込み機器とクラウドサービスの連携系
●組み込み機器とクラウドとの融合における課題
これらの新しいクラウドサービスを実現させるためには,私たちの身の回りにある様々な機器が,直接インターネット上のサーバとデータのやり取りを行う必要があります.
しかし,機器が設置される側のネットワークへの影響(例えばファイアウォールの設定など)を最小限に抑えなくてはならないことや,高いセキュリティを確保しなくてはならないことなど,組み込み機器の制限されたハードウェアでは容易に実現できない課題も多く存在しています.
●クラウドサービスを実現するためのステップ
組み込みLinux 搭載機器を使ってクラウド・サービスを実現するために必要となる技術要素は下記の通りです(図2参照).
(1)上位のサーバ側でデータを収集し,サービスを提供(例えばWEB サーバ上で様々なデータの確認が行えるようにするなど)するためのソフトウェアの構築
(2)インターネット経由でセキュリティを保ちながら,データのやり取りを実現するための通信手段の確保
(3)機器側からデータ通信を行わせるためのソフトウェアおよびハードウェア
図2 クラウドサービスを構成するもの
日新システムズでは,この3 つのステップの全てに対して簡単に導入できる下記のソリューションを用意しています(http://www.co-nss.co.jp/media/if201011vip/ にて紹介).
(1)のサービス提供側のシステム構築の支援としては,OPCDataHubというミドルウェア製品
(2)のインターネット経由の通信経路を確保するためのソリューションとしては,ManageLinxという製品群
(3)の組み込み機器側に,クラウドサービスにデータを送るためのソフトウェア(VIP Access ソフトウェア)とハードウェア(XPort Pro,EDS1100/2100等のデバイスサーバ)
●ManageLinx によるインターネット経由でのセキュアな通信経路の確保
ManageLinx とは各拠点のファイアウォールの内側にある機器から,インターネット上に設置されたサーバに,内側から外側へのアクセスを行わせることで,仮想的な通信経路を構築することができるシステムです.ManageLinxシステムは,それぞれの拠点に設置されるVIP Access ソフトウェアを搭載した機器と,インターネット上に設置するサーバ装置(DSM)とで構成されます.
図3 に,ManageLinxシステムを使ってクラウドサービスを実現する際の概要図を示します.
図3 ManageLinx と VIP Accessソフトウェア
●VIP Access ソフトウェアによる,組み込みLinux を使ったクラウドサービスの実現
組み込み機器を簡単にManageLinx システムで構築される仮想的なネットワークに対応させるためのミドルウェアとして,VIP Access ソフトウェアが用意されています.このミドルウェアは,TCP/IPとSSH暗号通信をベースに構築されており,セキュアな通信接続を実現しています.
VIP Access ソフトウェアは,表1のハードウェアスペックを満たす環境であれば動作させることができるため,多くの組み込み機器に対して簡単に導入することが出来ます.
またLANTRONIX社製のデバイス・サーバや,その他の一部のCPU に対しては,VIP Access ソフトウェアを無償にて提供しておりますので,このミドルウェアのライセンス利用料を気にすることなしに,新しく開発する組み込み機器へ,クラウドサービスを実現させるための機能を付加することが可能となります.
また,日新システムズでは,このように組み込み機器を使ったクラウドサービスを実現させるためのいくつものソリューションを用意しているだけではなく,様々なCPU に対するOSやミドルウェアのポーティングサービスも行っております.
表1 VIP Access ソフトウェア・スペック
※本記事に記載の会社名,製品名は各社の登録商標です.
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ネットワーク・ソリューション・ビジネスユニット
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E-mail:vipa_cq@co-nss.co.jp
http://www.co-nss.co.jp/