ハイパーバイザによるAndroid + iTRONのマルチOS環境『リアルタイムAndroid(EM-VRT)』

(株)ウェルインテクノロジー

tag: 組み込み

2011年2月18日

 リアルタイムAndroid(図1)は,EM-VRT を用いてAndroidとiTRONのマルチOS 環境を実現するソリューションです.リアルタイムAndroidを導入することにより,Androidが苦手とするリアルタイム処理や,セキュリティ問題など,Androidにおける様々な課題を克服することができます.

図1 リアルタイムAndroid(EM-VRT)の構造

●リアルタイム処理を実現

 AndroidはLinuxベースのOS のため,産業機器や測定器などに必要とされるようなリアルタイム処理は得意ではありません.しかし,リアルタイムAndroidを導入すれば,即時性が必要な処理をiTRON 側にまかせることにより,リアルタイム処理を実現できます.

● iTRON 資産の流用
 

 日本におけるiTRON の普及率は高く,iTRON を組み込んだ製品も多数市場に出回っています.「Androidを使ってみたいけど,iTRON の資産は捨てられない」という声は多く,それがAndroid導入の障壁となっている例も多いようです.リアルタイムAndroidなら,iTRON の資産を流用しながらAndroidのリッチなUI を活用できます.

● Android の高速起動
 

 Androidの起動時間は,決して早いとは言えません.しかしリアルタイムAndroid は,iTRON がAndroid(Linux)を1タスクとして制御していますので,Androidそのものをメモリに退避させる(ハイバネーション)が可能です.これにより,Androidを再起動した際には,メモリに退避させたAndroidデータをロードすることにより高速な起動を実現できます.

●セキュリティ問題
 

 Androidは,ソースがすべて公開されていることもあり,そのままではセキュリティに不安が残ります.また,Linux上やAndroid上でセキュリティ対策を行ったとしても,Linxのルート権限をとられてしまう危険が残るため,根本的な解決にはなりません.
 リアルタイムAndroidなら,例えばiTRON 側にセキュリティキーを持たせておいて,それをAndroid(Linux)が利用するなど,信頼性の高いセキュリティ対策が可能です.

● Linux のGPL 回避
 

 AndroidはLinuxをベースとしているため,ドライバ部分にはGPL が適用されます.工数をかけた自社開発のドライバの公開に抵抗のある企業も多いかと思いますが,リアルタイムAndroidなら,iTORON側にドライバを持たせることでGPL の回避が可能です.

●リアルタイムAndroid(EM-VRT)の対応CPU,対応OS

■ 対応CPUアーキテクチャ
 ■ ARM9,ARM11
 ■ SH4A
 ■ ATOM(Zシリーズ)
 ■ MicroBlaze
■ 対応OS
 ■ Host OS:uITRON, VxWorks
 ■ Guest OS:Linux,Android

 


 



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