仮想化技術ソフトウェア『Wind River Hypervisor』

(株)日新システムズ

tag: 組み込み

2011年2月21日

●組込みに広がる仮想化技術 
~高い信頼性と柔軟なシステム構築を実現~

 近年では高速化や省電力化が要求される一方,CPUのクロックアップは限界となってきており,マルチコアCPU を使用して高速化や省電力化を図っていく例が増加しています.今回はマルチコア開発における組込みOSを使用した仮想化技術についてご紹介します.
 マルチコアを利用した実装方法として,1つの物理ボード上に複数の仮想ボードを作成し,OS(ゲストOS) を同時に動作させるHypervisorという仮想化技術があります.数ある仮想化技術の中でもウインドリバー社のWind River Hypervisorは組込みリアルタイムの分野にフォーカスし小型で高い信頼性が特長です.使用するアーキテクチャに最適化された準仮想化とハードウェアアシストにより高パフォーマンスを実現するため,ゲストOS を実ハードウェアで直接動作させた状態に近い性能を得る事ができます(図1).

 

図1 Wind River Hypervisorの位置づけ

 

 Wind River Hypervisorは物理ボード上で使用するCPUコア,デバイスやメモリを予め登録し,複数の仮想ボードを構成します.メモリ管理機能によるアドレスの変換や保護により,仮想ボードを独立させシステムの信頼性が向上します(図2).ゲストOS へのメモリ割当範囲に制限はなく,OS間通信のための共有メモリ等も定義することが可能です.ゲストOS間の通信用として,Multicore Inter Process Communication(MIPC)と呼ぶマルチOS 間の通信インタフェースを用意しているため,共有メモリを使ったMIPCによってゲストOS 間で高速かつ容易に通信することが可能です.
 またそれぞれの仮想ボードに合わせた「VxWorks」,「Wind River Linux」,「ベアメタル(OS無しアプリケーション)」等を容易に構築して開発期間を短縮し,用途に応じて別途Microsoft社のWindows XPの動作が可能です.

 

図2 Wind River Hypervisor構成

 

 Wind River Hypervisorの導入により,既存環境を仮想ボードで構築し,新環境を別の仮想ボードで実装する事で資産流用することができます.また別々のOSを導入し,リアルタイム性重視の環境,汎用性重視の環境など仮想ボードに個々の環境を組合わせることで独立性を高め,故障率を減少させるなど様々な要件に柔軟に対応できるステムを構築する事が可能になります.
 日新システムズでは,ウインドリバー社製品以外にCriticalBlue社のマルチコアプログラミング解析ツール「Prism」の販売や,マルチコア・プロセッサを利用したプログラミング設計のコンサルティングやソフトウェア開発の受託開発支援サービスなどマルチコア開発におけるワンストップソリューションを提供しています.
 

※本記事に記載の会社名,製品名は各社の登録商標です.

 


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