あらゆるクラウド端末に組み込みLinux を
tag: 組み込み
2010年9月21日
「今後,あらゆるものがネットワークに接続され,クラウド化が進み,その情報端末に組み込みLinuxが採用されていくことは間違いない」と語るモンタビスタソフトウエアジャパン(株)の木内 志朗氏.ここではクラウド時代の組み込みLinuxの位置づけ,および組み込みLinuxの新しい応用分野などについて話を伺いました. (Tech Village企画室)
モンタビスタソフトウエアジャパン(株) 技術本部 本部長 木内 志朗 氏
――クラウド時代の組み込みLinux機器のイメージは?
木内氏:シン・クライアント,Mobile Internet Device(MID),スマートフォンなど,クラウドの端末側を中心に,あらゆるものが組み込みLinux搭載の対象になると考えています.車やテレビなどもネットワークにつながり,組み込みLinuxが搭載されていきます.サーバ側でLinuxを中心としたオープンソース・ソフトウェアの採用が加速していますが,端末側の組み込みシステムでも同様の傾向が強まるものと考えています.
――最新版の製品の特徴を教えてください
木内氏:現在,「MontaVista Linux 6」(図1) という組み込みLinuxディストリビューションを提供しています.特徴は,ビルド環境と対応する市場別のディストリビューション(Market Specific Distribution)を用意していることです.ユーザが使用するMSDと必要な機能を設定すると,弊社のサーバから必要なソフトウェアをダウンロードし, ビルドします.
図1 MontaVista Linux 6 の構成
CPUはARM,MIPS,Power PC,Intel x86/ATOM などに対応しています.また,マルチコア対応も進んでいます.カーネルやランタイムなどは,オープンソースとしての発展を取り入れつつ,商用の組み込みLinux製品としての信頼性確保は弊社の仕事であると認識しております.MontaVista Linux 6 のパッケージとは別に,高信頼のキャリアグレードエディション(CGE)も提供しています.
――MontaVista Linuxが採用されている機器は?
木内氏:さまざまな市場で幅広く利用されていますが,オフィス・プリンタや携帯電話,デジタル家電,通信事業者向けの通信機器などが中心です.
最近では米国Dell社のノート・パソコンにも搭載されています. 同社のLatitude ON というオプション機能は,通常のWindowsパソコンにARMプロセッサベースのモジュールが搭載されており,WindowsとARM側のLinuxをそれぞれ起動できるようになっています.ARMのモジュールにはMontaVista Linuxを基にWebブラウザやメール機能,スケジューラなどのシン・クライアントとして必要は機能が搭載されています.PCのバッテリーを使用し,長時間駆動可能なシン・クライアントと言えます.
海外では,MontaVista Software社は車載インフォテインメント機器向けオープンソース・ソフトウェアの開発を推進する非営利団体「GENIVIアライアンス」の理事として活動しています.GENIVI には, 自動車大手メーカのドイツBMW社や米国GeneralMotors社をはじめ,他にも自動車部品メーカ,大手半導体メーカなど世界中から60 社以上が参加しています.
車載インフォテインメントのイメージは,例えば,運転席の表示パネルをフラットな液晶ディスプレイにして,そこに速度やエンジン回転数などのドライブ情報,およびカーナビ情報などを統合表示するシステムを思い浮かべてください.組み込みLinux は,こうした車載機器のプラットフォームとしても普及します.今後は,国内の車載機器メーカにも,関心を持っていただけるのではないかと思っています.
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