クラウド時代に最新のLinuxに対応したデバッグツールを提供
tag: 組み込み
2010年9月21日
「京都マイクロコンピュータは,組み込みLinuxのカーネルとユーザ・プログラムを区別せずデバッグできる製品を最初に提供した会社です」と語るのは,京都マイクロコンピュータ(株)の辻 邦彦氏.クラウド時代への開発環境の変化や,製品のサポート状況などを伺いました. (Tech Village企画室)
京都マイクロコンピュータ(株) 東京オフィス ゼネラル・マネージャー 辻 邦彦氏
――クラウド時代の組み込みLinux機器のイメージは?
辻氏:Linuxに関しては,確かにこの数年で多くの分野の組み込み機器に採用されるようになったと思います.多くの組み込み機器がネットワークに接続されるようにはなりましたが,コンピュータ・アーキテクチャの基本的な部分が今までと大きく変化するとは考えていません.ただ,これからは機器にLinuxなどのオープン・スタンダードな技術が採用される事が,家電など多くの組み込み機器がクラウド・コンピューティングに参加するためにも必要だと考えています.僕たちは,以前から組み込み機器にLinuxなどが普及すると想定し,組み込み機器向け開発環境のLinux対応に取り組んできました.
PARTNERJet写真1 は,2003年に発売を開始し,当初からLinuxに対応し,また7 年間常にLinux対応の進化をさせてきました.それで現在,組み込みLinuxの搭載された携帯電話をはじめ,デジタルカメラや多くのコンシューマ機器の開発ツールとしてPARTNER-Jetは利用されているのだと思います.
写真1 PARTNER-Jetの外観
――PARTNER-Jet の組み込みLinuxに関する特徴は
辻氏:PARTNER-Jetは,組み込みLinux に対してハードウェア・レベルでのデバッグを最初に実現した製品です.さらにLinuxのカーネルとユーザ・プログラムのどちらも同じようにデバッグが可能です.現在,Linux はカーネル・バージョンやライブラリなど,様々な種類があり,適切にデバッグを行うには,相応の対応力が必要です.弊社は,早い時期からLinuxのデバッグ環境を提供しているため,これまでの経験や知識の蓄積があり,広くカバーできることが強みです.また,Linuxの進化にも常に注意を払っていますので,デバッグの現場レベルでの対応力には自信があります.
――クラウド時代に,開発環境はどう進化しますか
辻氏:組み込みLinux自身がネットワーク機能を備えているため,いわゆるリモート・デバッグなどはすでに行われています.現在では,ハードウェア・シミュレータを利用した開発も増えています.実際にハードウェアがなくても,かなりのデバッグが行えるようになりました.今後は,このような「仮想化」の技術がさらに進み,ターゲットの仮想化によって,開発環境も実機なしでデバッグ作業が実現していくと考えています.
――組み込みLinuxのデバッグに対する今後のサポートは
辻氏:PARTNER-Jetは,もともとアップグレード可能な構成で作られているため,発売から7 年経ちますがサポート契約を結んでいただいたユーザには,常に最新のLinux 環境に対応したデバッグ機能を利用していただけます.現在ではLinuxもマルチコア,マルチOSのサポートが行われており,今後はさらにCPUのホットスワップといった機能なども追加されていきます.こうした機能拡張への対応もすでに今後の計画の中に含まれています.また,当然ですがより利便性の高いユーザ・インターフェースへの変更なども常に視野に入れ,デバッグ作業をよりおこないやすくする努力も継続しています.
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