Androidが勢力を拡大,スマートフォンからディジタル家電へ ―― ワイヤレスジャパン2010レポート
●Androidアプリケーションの開発用端末を披露
またシャープは,Android対応のアプリケーション開発用端末「JN-DK1」を展示するとともに,シャープ製Android端末用アプリケーション開発者サイト「SH Developers Square」を展示パネルで紹介していた(写真6,写真7).
「JN-DK1」は,「IS01」および「LYNX SH-10B」と非常に似た外見をしており,一見すると同じハードウェアにみえる.しかし「JN-DK1」には大きな違いがある.携帯電話機能を搭載していないことだ.すなわち携帯電話機能を除くと,シャープ製Android端末としてのハードウェア機能(例えば内蔵カメラなど)は,「IS01」および「LYNX SH-10B」と同一である.
「JN-DK1」の外形寸法は約149mm×83mm×17.9mm,重量は227グラム.CPUは動作周波数が1GHzのSnapdragon(米国Qualcomm社が開発したARMv7プロセッサ)である.Androidのバージョンは1.6.内蔵メモリは512MバイトのNAND型フラッシュROMと256MバイトのSDRAMである.なお開発ツールの設定によってNAND型フラッシュROMの容量を3.4Gバイト追加できる.
写真6 Android対応アプリケーション開発支援の説明パネル
写真7 Android対応のアプリケーション開発用端末「JN-DK1」
●Androidバージョン2.1を搭載したスマートフォン
シャープ製以外の国内市場向けAndroid搭載スマートフォンでは,台湾HTC社が開発したソフトバンクモバイル向けAndroid搭載スマートフォン「HTC Desire SoftBank X06HT」を,大塚商会が展示した(写真8,写真9).来場者が試用できる状態になっていた.
「HTC Desire SoftBank X06HT」はすでに発売中で,Android OSでも最新(発売当時)のバージョン2.1を搭載していることが特徴である.バージョン2.1はマルチタッチ機能やFlash Lite対応などが新機能として追加されている.CPUは動作周波数が1GHzのSnapdragonである.内蔵メモリはROMが512Mバイト,RAMが576Mバイト.外形寸法は約60mm×119mm×11.9mm,重量は約135グラム.ディスプレイはタッチパネル内蔵の3.7型フルカラー有機EL,解像度は800画素×480画素である.
写真8 大塚商会ブースのソフトバンク・コーナ
左上の2台がAndroid搭載スマートフォン「HTC Desire SoftBank X06HT」.
写真9 HTC Desire SoftBank X06HTの外観
ソフトバンクモバイルのニュース・リリースから.
国内市場向けではないものの,京セラが同社としては初めて開発したAndroid搭載スマートフォン「Zio(ザイオ) M6000」を展示した(写真10).北米市場で2010年度中に発売する予定である.
「Zio M6000」は,タッチパネル内蔵の3.5型フルカラー液晶ディスプレイを搭載する.ディスプレイの解像度はWVGA(800画素×480画素).搭載したAndroidのバージョンは1.6である.本体の外形寸法は116mm×58.6mm×12.2mm.重量は105グラムと軽め.CPUとして,Qualcomm MSM7627(ARM1136EJ-Sコア,動作周波数600MHz)を搭載している.
京セラはこのほか,Android搭載端末のコンセプト・モデルを展示した(写真11).フルキーボードを装備したスマートフォンやLTE(Long Term Evolution)対応スマートフォンなどが公開されていた.
写真10 北米市場向けのAndroid搭載スマートフォン「Zio M6000」
写真11 Android搭載端末のコンセプト・モデル
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