コンデンサやベアチップに続いて,LED,RFID,2次電池もプリント基板の内層へ ―― JPCA Show 2010レポート
●プリント基板にRFIDタグを埋め込む
RFIDタグを内蔵した基板を展示したのは,キョウデンである.RFIDタグを埋め込み,プリント基板の生産管理や保守履歴管理などに利用することをねらう.キョウデンと第一実業,日本インフォメーションシステムが共同で開発した(写真3).
内蔵したRFIDタグの大きさは,例えば長さ11mm×幅3mm×厚さ0.25mmである.多層プリント基板の内部コア層にRFIDタグを埋め込んだ.回路パターン(電源パターンまたは接地パターン)をアンテナに利用するので,外部アンテナは不要である.展示ブースでは,大きさが14mm×8mmのRFIDタグを埋め込んだプリント基板を展示し,RFIDタグの読み取り機器(リーダ)でタグの内容を読み取れることを実演していた(写真4).
●プリント基板に2次電池を埋め込む
2次電池を内蔵した基板を試作したのは,沖プリンテッドサーキットである.厚みが170μm(0.17mm)の薄膜タイプ全固体リチウムイオン2次電池を,4層プリント基板の最内絶縁層に埋め込んだ(写真5).プリント基板の厚みは0.8mmである.リチウムイオン2次電池は,米国Infinite Power Solutions社の「MEC101」.出力電圧は4.2V,容量は0.7mAhである.展示ブースの説明員によると,室温で40mA程度の電流が取れるという.
沖プリンテッドサーキットは2次電池内蔵基板と電池の充放電回路,太陽電池パネル,発光ダイオード(LED)モジュール基板をケーブル接続した電子回路を試作した.展示ブースでは太陽電池で2次電池を充電し,2次電池の出力でLEDを発光させていた(写真6).