コンデンサやベアチップに続いて,LED,RFID,2次電池もプリント基板の内層へ ―― JPCA Show 2010レポート
プリント基板技術と実装技術に関する総合展示会「JPCA Show 2010(第40回国際電子回路産業展)」が2010年6月2日~4日に東京ビッグサイトで開催された(写真1).3日間の来場者数(実登録者数累計)は3万2819名で,前回(2009年)の2万8545名を上回った.
JPCA Showは毎年初夏に,東京で開催されてきた.今回のJPCA Showでは,プリント基板の内層に受動部品や能動部品などを内蔵する「部品内蔵基板」の展示が目立っていた.部品内蔵基板が登場した当初は,チップ型の積層セラミック・コンデンサを内蔵することが多かった.多ピンLSI用パッケージの代表であるBGAパッケージの基板にコンデンサ内蔵基板を採用することで,電源回路の安定性を高めた.コンデンサ内蔵基板ではLSIチップとコンデンサの距離が短い.このため,バイパスの効果を高められた.
その後,CSP(Chip Scale Package)封止の小型LSIとチップ積層セラミック・コンデンサ,またはシリコンLSIチップ(ベアチップ)とチップ積層セラミック・コンデンサの両方を内蔵する基板が実用化された.これにより,限られた基板面積に搭載できるLSIチップの数を増やせた.
今回のJPCA Showでは,こういった部品内蔵基板に新たな部品を搭載した展示が相次いだ.発光ダイオード(LED)チップを埋め込んだり,RFIDタグを埋め込んだり,2次電池を埋め込んだりした基板である.
●プリント基板にLEDを埋め込む
LEDチップを埋め込んだ基板を展示したのは,日本シイエムケイである.LEDチップとトランジスタ,LSI,受動部品を内蔵した部品内蔵基板を開発し,実物を動作させていた(写真2).展示していた基板は,赤色LEDと緑色LED,チップ・コンデンサ,チップ抵抗器,トランジスタ,QFP封止のマイコンを内蔵する.量産時期や具体的な用途などは明らかにされなかったが,動作基板を見たところでは,アミューズメント機器のモジュール基板に使われるようだ.LEDの基板内蔵は顧客の要望によるものだという.