Twitterを使って技術系コミュニティを立ち上げよう!(1) ―― MATLABイベントにTwitterを活用した
●Twitter活用の第一歩は事例研究
次に,実際のイベントでTwitterはどのように利用されているのかという参考例を検証しました.日本国内の組み込み業界では事例がまだ無く,国内外で既にTwitterをイベントに活用していたWeb業界から参考事例を探しました.その中でもイベント業界向けのツールを提供するPathable社の「Data Analysis of Twitter at Events」というブログ記事では,Wordcamp SFというイベントにおけるTwitterでの会話について,データが集計されており,実際の利用状況を具体的に知ることができました(図2).これにより,会話が進展するにつれ,関心がイベントそのものから参加者同士の交流にシフトしていくことが具体的に把握できました.

図2 Wordcamp SFにおけるTwitter上の会話の流れ
●プラン作成のポイントは目的の定義とリソース配分
具体的な利用事例からTwitter上の会話の流れが見えてきたところで,MATLAB EXPOで利用するためのプランを作成しました(図3).社内で懸念されたのは,リソースの問題と質問への対応です.効果予想が難しいため,リソースは最小限で始めることにしました.質問は担当者の専門以外については,参考のWebページをお知らせすることにしました.

図3 MATLAB EXPOのTwitterプラン - 骨子
また,Twitterで使われる共通キーワードのハッシュタグ注2を決めました.物理的なイベントでは,会場が交流の「場」となります.Twitterではハッシュタグをつぶやきに含めることで,検索機能により同じハッシュタグの発言を一覧できるようになります.これがTwitterによる「場」を形成します.MATLAB EXPOのハッシュタグは,140文字の制限に配慮して,短く「#expo09」にしました.
注2:ハッシュタグ ― 「#」記号ではじまる半角英数字で定義されるキーワード.複数のユーザが同じハッシュタグをつぶやきに含めることにより,特定の話題についての発言を検索しやすくしている.Twitterの検索機能を使うと,共通のハッシュタグが含まれるつぶやきを一覧表示できるようになる.