開発エンジニアのためのiPhone活用法(2) ―― iPhone抵抗値計算アプリでカラー・コードや刻印から抵抗値を求める
● RegistorCode(無料)
RegistorCodeも老舗のアプリで,図5で示すようにホイールで色の名前を入力すると値が出てくるようになっています(2).
図5 RegistorCodeの色入力画面
ホイールで色の名前を入力すると,値が出てくる.
特徴は,4本線の抵抗器だけでなく5本線,6本線にも対応しているところ(図6)と,複数の抵抗器を直列,並列でつないだときの合成抵抗を計算する機能があるところ(図7)です.
図6 RegistorCodeの6本線の計算画面
4本線の抵抗器だけでなく,5本線,6本線にも対応している.
図7 RegistorCodeの合成抵抗の計算画面
複数の抵抗器を直列,並列でつないだときの合成抵抗を計算できる.
ふだんディジタル回路を設計している方は精度の高い抵抗器をあまり使わないので読み方を覚えていないことも多いかと思います.5本線,6本線の計算機能は,そんなときによいアプリケーションではないでしょうか.
合成抵抗の計算機能は残念ながらすべての抵抗器を直列または並列に接続したときの値しか計算できないのですが,分圧などでふだん使わない抵抗値が必要になったときに使用するとよいと思います.
● LED Resist (無料)
ちょっと毛色の変わった抵抗値計算アプリも紹介しておきましょう.LED Resistは,LEDの電流制限抵抗を計算するアプリケーションです(3).電源電圧と直列に接続するLEDの個数,LEDのVfとIfを入力すると抵抗値を計算してくれます(図8).いろいろな色のLEDらしき丸をタップすると,それぞれの色に合わせたVf(1.5V~2.9V)とIf(15mA)がセットされます.
図8 LED ResistのLED仕様の入力画面
電源電圧と直列に接続するLEDの個数,およびLEDのVfとIfを入力すると,抵抗値を計算してくれる.
それぞれのLEDにプリセットされた値をユーザが設定できるようになるとよいと思うのですが,それはできないのが残念なところです.
また,このアプリは横画面にしたときにモードが変わり,計算した抵抗値のカラー・コードを表示する画面に切り替わります(図9).このとき,抵抗値として表示される値は,計算によって求めたそのままの値ではなく,計算した値以上でもっとも近いE12系列の抵抗値になるようです(例えば計算値が167Ωのときは,180Ωと表示).部品を調達するときはE12やE6といった標準数列(詳しくは後述)に沿ったものを選ぶことが普通なので,この機能はありがたいといえます.
図9 LED Resistのカラー・コード表示の画面
横画面にした時にモードが変わる.
さらに,横にした状態で右側にある×をタップすると,ほかの抵抗値計算アプリのようにカラー・コードの色を入力できます.ただし,この機能はおまけのようで,カラー・コードはタップして順送りすることしかできません.しかし4本線のカラー・コードの抵抗値を知るにはこれで十分でしょう.