初めての技術系コミュニティ活動(6) ―― 経験ゼロでもコミュニティを立ち上げた意外な理由

太田 憲治

 そこからは,イテレーションのまわし方を工夫しながら,「朝会」や「ふりかえり」,「タスクかんばん」,「テスト駆動開発」などを積極的に行い,今までの開発手法にとらわれず改善を繰り返しました.実験プロジェクトとはいえ,筆者が会社に入って初めていろんな意味で衝撃を受けたプロジェクトでした.このプロジェクトを推進してくれた上司やプロジェクト・メンバには,今でも感謝しています.その後のプロジェクトでも,XPやPFなどを取り入れて開発を続けていきました.


 そして月日が流れ,翌年,筆者は会社を辞めることになりました.このころから,今までのプロジェクトを通じて学んだことを自ら発信したいという気持ちが芽生えてきました.


●チャンス到来?!

 会社を辞めてから個人事業主(フリー・エンジニア)として開発の仕事をするかたわら,自分の仕事のやり方や考え方を情報発信するために「eXtreme Gadget」というブログを立ち上げました.eXtreme Gadgetでは,仕事に役立つPDFのテンプレートのほか,アジャイル開発についてや仕事術についてまとめているのですが,中でも「GTD+R」という仕事術が人気でした.


 「GTD+R」は,やるべきこと(タスク)をカード・ゲームのように見える化し,タスクをうまく消化させて仕事の生産性を上げる手法です(平鍋 健児氏のブログでも取り上げていただいた).これは,GTDという手法注1を筆者がアレンジしたものです.やるべきこと(タスク)をロディア(RHODIA)というメモ帳に書き出し,整理することから,名前の後ろに+Rが付いています.


注1:「GTD」とは,「Getting Things Done」の著者であるDavid Allen氏が考案した手法である.簡単な五つのステップを実行していくことで成し遂げたいことを現実にするメソッドであり,心理的な負担を減らすことを主眼としている.詳しくは,WikipediaのGetting Things Doneの項を参照いただきたい.


 その筆者のブログを見てくれていた「オブジェクト倶楽部」の中の人から1通のメールが届きました.なんとメールの中身は,オブジェクト倶楽部のイベントで「GTD+R」の講演をしてほしいという依頼でした.


 オブジェクト倶楽部と言えば,毎年300人近く集まる大イベントを開催している,エンジニアの中でも超有名なコミュニティです.メールを見た瞬間,嬉しさよりも恐ろしさの方が上回っていました.フリーで活動している筆者にとっては「大舞台に立てるチャンス!」なわけですが,もともと大勢の前で話すのが苦手な筆者にとってはとても恐ろしい話でした.多分2,3日は眠れなかったと思います.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日