初めての技術系コミュニティ活動(3) ―― 情けは「人のため」ならず
家族などからは,え~思い過ごし! と言われてしまうのですが,筆者にはなぜか社会人になってから4年目ごとに分岐点があります.まるでオリンピックのような人生ですね.社会人になってはや14年.既に3回の「人生の分かれ道」を経験しているわけで,さながら演歌の似合うシブいおやぢになりつつあります(うそです.おやぢですがシブくはないです).ちなみに,最初はスキルアップを目指した転職にチャレンジし,3回目は自分自身が書籍の執筆にチャレンジするなど,ほかにも小ネタはいろいろあるのですが,なんとなく大きな出来事がどぉんと訪れます.
そのうちの2回目の「人生の分かれ道」が,社外コミュニティへの参加でした.
●きっかけは入院中
その年の始まりは,仕事帰りに自転車で帰宅中,あやうく死にかけるという大事故にみまわれ,救急車で運ばれ(たらしいのですが意識がなくて覚えていません...),プロジェクトが始まる前で良かったものの,1カ月近く入院する羽目に陥ってしまいました.そのおかげで,今まで当たり前だった「生きていられること」に,30歳を過ぎてようやく真剣に悩み,改めて喜びを感じたときでした.しかし,これは2回目の人生の分かれ道の序章に過ぎなかったのです.
入院中に,前の会社の後輩がお見舞いに来てくれて,かつての上司や同僚たちが書籍を発刊したという話を聞きました.退院後,早速,元上司に会いに行き,そこで「eXtreme Programming(以下,XP)」の内容と,日本XPユーザーグループ(海を渡ってきたばかりのXPを日本のソフトウェア開発業界に広めよう!という,前向きな人たちが結成したユーザ・グループ.以下,XPJUG)を知ることになります.それが自分にとっての大きな転機になりました.
XPを知り,XPJUGに参加したことは,そのころ開発メンバだった自分自身に大きく影響しました.いろんな人にサポートしてもらいながら,XPを実際のプロジェクトに適用したり,社内で興味を持っている人を集めて社内コミュニティを作り,全社でのアジャイル・ワークショップを開催するということまで実現してしまいました注1.
注1;このいきさつについて詳しく知りたい方は,組込みZineの連載記事「社内シナプスを活性化しよう - 社内コミュニティの活用法(1)」を参照してください.
いやいや.社外のコミュニティに参加するのは,瀕死の状態に陥らないと効果を発揮しない! というわけではありません.「参加にはあなたの人生の悟りが必要です!」などという条件を示したコミュニティもありませんので,ご安心ください.コミュニティに参加する敷居は決して高いものではなく,いつでもどうぞ! という状況のものがほとんどです.「高い」と感じる敷居(ハードル)は,実は自分自身の中にあるのです.