システム技術者のための測定ワンポイント・テクニック(1) ―― 机上で放射ノイズの発生源を突き止める

津野 徹

tag: 実装 電子回路

技術解説 2008年10月29日

● 測定結果

・スイッチング電源

 写真1に示した自作アンテナを利用した測定の結果を示します.アンテナの直径は15cm,巻き数は3ターンです.シリーズ電源のノイズを図3に,スイッチング電源のノイズを図4に示します.シリーズ・レギュレータの測定結果からは,50Hz~60Hzの高調波ノイズしか観測されません.スイッチング電源のノイズは,スイッチング周波数の高調波ノイズが10MHzの帯域まで広がっています.さらにレベルも-40dBに達する大きさです.空間を伝ってアンテナに誘起する電力が50Ωの抵抗成分に-40dBmの電力を発生させてしまうわけですから,周辺の回路はたまったものではありませんね.皆さんがノイズに悩まされる理由の一つがこの現象です.

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図3 シリーズ電源のノイズ測定例

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図4 スイッチング・レギュレータのノイズ測定例

・バッファ・アンプ

 さて回路中のノイズはどうやって見つけるのでしょうか.例としてバッファ・アンプを搭載した回路を考えます.回路の入力インピーダンスは,図5のように負性抵抗の特性を示します.そのため,インピーダンスの高い配線が接続されると,80M~100MHzくらいできれいな安定した発振を起こします.素子を手で触ってみると出力直流電圧がふらつきますので,すぐに発振が判別できます.このようなときは1インチ2ターン・アンテナの出番です.図6のように利用して,発振している素子を見つけます.

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図5 バッファ・アンプの負性抵抗

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図6 回路中のノイズ発生源を探す方法

つの・とおる
横河電機(株)

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