電子部品向けCTスキャン装置やひずみ量測定のシステムが注目を集める ―― JPCA Show 2008
プリント基板の製造装置および材料に関する展示会「JPCA Show 2008」が,2008年6月11日~13日,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催された(写真1).来場者数は124,749人.会場では,電子部品向けのCTスキャン装置やディジタル画像からひずみ量を求めるシステムが展示され,来場者の注目を集めた.
●電子部品向けのCTスキャン装置
東芝ITコントロールシステムは,電子部品向けのCT(Computed Tomography)スキャン装置「TOSCANER-32250μhdシリーズ」を利用して生成した画像を展示した(写真2).X線検査装置によって連続断面データを作成し,これを元に物体の3次元モデルを作る.
X線の出力は225kVと高い.電子部品や実装基板,電池,パッケージ,樹脂,繊維の測定に向く.本装置は展示されていなかったものの,本装置で撮像した積層チップ・セラミック・コンデンサの断面などがモニタ上に表示されていた.
最大スキャン・エリアは直径200mm,高さ300mmで,分解能は5μm.価格はおよそ4,500万円から.
●ひずみ量やひずみの発生した部位を計算する計測システム
丸文はドイツLAVISION社のひずみ量計測システム「StrainMaster」を展示した(写真3).1台もしくは2台のCCDカメラを用いて撮影した変形前と変形後の測定対象物のディジタル画像の違いを,同社独自のソフトウェアで解析することにより,ひずみ量やひずみの発生した部位を計算する.
従来の測定システムとは異なり,測定対象物へのマーキングを必要としない.そのため,顕微鏡を通して撮影した微小な物体から航空機や建築物などといった大きな物体まで測定できる.さらにプレス加工や金属加工,地殻変動調査などに向くとする.
会場では,NEC Avio赤外線テクノロジー製の赤外線サーモグラフィ装置「TVS-500EX」を上記計測システム用CCDカメラの横に設置し,プリント基板の発熱を測定した.これにより,プリント基板の発熱とひずみの分布の関係が分かるようになっていた.
●USB 2.0でパソコンに直接接続できる温度監視カメラ
アートレイは遠赤外線を利用した温度監視カメラ「ARTCAM-320-THERMO」を展示した(写真4).USB 2.0でパソコンに直接接続できることが特徴.NECの非冷却赤外線センサを利用し,-40℃~+150℃または0℃~+540℃の範囲を,±5%の誤差で測定できる.
有効画素数は320ピクセル×240ピクセル,フレーム・レートは25フレーム/s.検出波長は8μ~14μm,フォーカス範囲は1m~無限大,出力は14ビットRawデータである.また,外形寸法は65mm×65mm×120mm.価格は69万円(税抜き).