初めての技術系コミュニティ活動(4) ―― 「ふつうの僕」が東京に出て始めたこと

あまのりょー

●そして東京へ

 2003年に東京の会社に転職してからも,1年ほどは新しい環境に慣れることに専念していました.そして2004年の秋に,「せっかく東京に居るのだから,そろそろ勉強会などにも顔を出してみよう」と思い立ちました.

 初めて参加したのは日本XPユーザーグループ(XPJUG)が開催している「XPユーザー会」でした.この会を選んだのは,当時のプロジェクトでXPスタイルの開発を行おうとしていたのもありますが,正直なところ,札幌に居たころの反動というのが大きな理由です.

 このときに初めて聞いた「ライトニング・トークス」の衝撃は今でも忘れられません.テンポの良さ,適度な笑い,「想い」のクロスカウンタ,無意味に高まる会場の一体感など,すべてが新鮮でした.筆者がこれまでに10回以上ライトニング・トークスを行い,「ライトニングトークス水先案内」という記事まで書くに至ったのも,この時の衝撃があったればこそです.

 その後,2004年末から2005年初夏にかけて大きな病気をしてしまい半年弱ほど入院したのですが,入院をきっかけにというのは第3回の前川さんのネタとかぶるので割愛...というのは冗談にしても,ちょっと本稿の趣旨とは違うので,ここでは詳しく書きません.ただ,この時期にベッドの上で考えていたことが現在のコミュニティ活動に影響しているのは間違いないことだけを記しておきます.

 次に大きなインパクトがあったのは,やはりXPJUGが開催している「XP祭り2005」に参加したことです.このときに筆者は初めてのライトニング・トークスを行ったのですが,それ以上に心を動かされたことがあります.それは,終日行われる200名規模のイベントが,豪華なゲスト講演者も含めて,すべて無償のボランティア・ベースで運営されているという事実でした.イベントの参加費1,000円は,会場を借りるために最低限必要な額であって,儲けなどは一切考慮されていません.このことに,深く深く感銘を受けました.

 この感銘をベースに,XPJUG代表の倉貫さんに「自分もスタッフとして協力したい!」と申し出たところ,倉貫さん以下スタッフの皆に快く迎え入れてもらいました.現在,筆者はXPJUGのスタッフのほか,Project Facilitation Project(PFP)の理事,アジャイルマインド勉強会のメンバなどとしてコミュニティ活動に携わっています.それらにつながって行く流れはXPJUGスタッフになったことから始まったと言えます.

 ここから先は,コミュニティとの関わり方について筆者なりに現在の想いを挙げてみます.これまでの連載コラムの内容とかぶる部分があるかもしれませんが,空気を読まずに気にせず書いてみることにします.

●参加者として:基本は「持ち帰り」

 まず参加者としての参加動機ですが,筆者の場合「自分と自分のまわりを良くしたい」に集約されます.もうちょっと言うと,「自分と自分のまわりさえ良くなればよい」に近いです.

 コミュニティ活動にかかわる人の中には,本気で「この業界を良くするために」というモチベーションで携わっておられる方も居るのですが,少なくとも筆者はそこまでは考えていません.もちろんそういう方(例えば平鍋 健児さんなど)のことは大いに尊敬していますけれど.

 最近感じるのは,そのように志が高い方も,モチベーションの根幹としては,実はそんなに違わないようだ,ということです.ただ「自分のまわり」と感じる範囲がかなり大きいだけなのだろうなと推察しています.

 ともあれ,筆者としては自分の知的欲求を満足し,今かかわっているプロジェクトなり一緒に働いている同僚なりがハッピーになることを第一に考えて参加しています.

 コミュニティ活動への参加のために一日不在にしたり,ちょっと早めに帰る筆者を同僚たちが許容してくれるのも,なるべく現場への「持ち帰り」を意識しているからだろうと思っています.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日