RFIDタグを縫い付けたユニホーム管理システムなどに注目が集まる ―― 第10回 自動認識総合展
バーコード,2次元シンボル,RFID,バイオメトリックス,ICカードなどを利用して,工場や倉庫,店舗,物流などにおけるトレーサビリティやセキュリティ性などを高める技術についての展示会「第10回 自動認識総合展」が,2008年9月10日~12日,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催された(写真1).会場では,RFIDタグを縫いつけたユニホームを管理するシステムや,カメラを用いて電波の届かない位置にある対象物の情報を読み取るシステムなどが展示され,来場者の注目を集めた.
2008年9月10日~12日,東京ビッグサイトで開催された.
●アルミニウムを蒸着して小型のアンテナ基板を製作
東レはUHF帯を利用するRFID向けのアンテナ基板を展示した(写真2).本アンテナ基板の配線パターンは,PET(ポリエチレン・テレフタレート)フィルムにアルミニウムを蒸着させることで実現する.アルミニウムの膜厚を1μm~2μmと薄くできる.アルミニウム箔(はく)を貼り付ける他社の手法の場合,実現できる膜厚は15μm程度.他社よりも膜厚を薄くできるため,線幅および線間距離を狭くできる.従って,アンテナの形状を小さくでき,さらに基板コストも抑えられる.
本アンテナは,装着する対象物の材料によって誘電率が異なるため,同社では電磁界シミュレータを利用して共振周波数やインピーダンスを合わせ込み,出荷している.
会場では,同社に所属するバレーボール選手のユニホーム(写真3)に本アンテナ基板を搭載したRFIDタグを縫い付け,管理している様子をデモンストレーションした(写真4).
対応周波数は860MHz~960MHz.電磁界シミュレータを利用して共振周波数やインピーダンスを合わせ込む.
洗濯済み.このユニホームにはRFIDタグが縫い付けられていなかった.
クリーニングが済んだユニホームがひととおり揃っている状態を想定.