RFIDタグを縫い付けたユニホーム管理システムなどに注目が集まる ―― 第10回 自動認識総合展

組み込みネット編集部

tag: 実装 電子回路

レポート 2008年9月17日

●水中や遠距離でもコードを認識できるシステム

 住友スリーエムはカラー・ビット・コードの配列を利用した認識システムを展示した.赤(R),緑(G),青(B)の並び方をカメラで読み取り,パソコン上のソフトウェアでコードを認識する(写真5)

 本方式が電波を利用したシステムより有利な点は主に四つ.一つ目は,電波の届かない水中の情報を認識できること.二つ目は,RFID用のタグ(アンテナおよびマイクロチップを組み合わせたもの)コストが100円弱であるのに対し,本方式は紙代とインク代だけですむこと.三つ目は,パッシブ型RFIDタグは貼り付ける材料の影響を受けるためタグの設計をユーザ側で行う必要があるが,本方式なら簡単なルール(後述)のもと,誰でも容易にタグを作れること.四つ目は,通信距離を延ばしやすいこと.読み取れる距離はカメラの性能,つまりイメージ・センサ性能やレンズ倍率に依存する.市販のムービ・カメラであれば数十m以上を確保できる(写真6).また,赤,緑,青の3色のLEDを用いて表現すれば,夜間および遠距離での認識率を高められる.

 同社によると倉庫の在庫管理はもちろん,工場内部のあらゆる備品,例えば配管や換気扇,コンベアなどに貼り付け,カメラで撮影することで,一度に複数の備品の製造年月日や保守時期を確認できる.また,道路標識や案内板,コンクリートの天井などの保守時期を,車を走らせながら確認できる.

 本カラー・ビット・コードはビーコアが独自に開発した技術であり,色のセルが連なってできる列によってデータを表す.コード形式のルールは,色が交差・分岐しないことだけであり,セルの大きさや形は自由である.具体的なルールは,R→G=0,G→B=0,B→R=0,R→B=1,G→R=1,B→G=1となる.例えば,1011を表現したいときはR→B→R→B→Gとなる.

p5.jpg
[写真5] 複数の段ボールに貼り付けられたカラー・ビット・コードをパソコン上で認識した様子

p6.jpg
[写真6] ムービ・カメラが遠くのカラー・ビット・コードを撮影している様子
ムービ・カメラの上側に装着されているのはスポットライト.

●UHF帯のRFIDカード向けリーダ/ライタ・モジュール

 ミネルバはUHF帯のRFIDカード向けリーダ/ライタ・モジュール「MKUM-300J」を展示した(写真7).モジュール内部に制御マイコンやRF信号処理ICなどを備えており,アンテナ・モジュールと組み合わせるだけでRFIDカードの読み書きが可能.パソコンやRFIDリーダ/ライタ本体への通信インターフェースとして,USBまたはUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)を備えている.

 本モジュールが対応する通信規格はISO 18000-6Cで,周波数は952MHz~954MHz.出力は0.5W,通信距離は最大2m.なお,通信距離は対象物に取り付けるアンテナの形状に依存する.リーダ/ライタ・モジュールのサンプル価格は6万円,アンテナ・モジュールは1万円.

p7.jpg
[写真7] UHF帯のRFIDカード向けリーダ/ライタ・モジュール「MKUM-300J」
サンプル価格は6万円.

«  1  2
組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日