コネクタ&FPC トラブル・シューティング 11連発(1) ――コネクタのピンが次から次へと折れる
症状
最近の基板を見ると,部品の微細化が進み,機器の小型化への要求が厳しくなってきているのがわかります.筆者が担当していたモジュールも,スペースにゆとりがないうえに要求性能が厳しく,GHzオーダの周波数帯域を扱う必要があったため,信号の入出力を行うコネクタの選定は慎重に行いました.いくつか候補がありましたが,検討の結果,SMP(sub miniature push on)と呼ばれるコネクタを使いました.このコネクタは数十GHzまでの高周波を伝送でき,サイズも基板側のパッド寸法で5mm四方程度です.さらに,SMAコネクタのように外周をネジで締め付ける必要のないプッシュONタイプなので扱いやすい,といった特徴があります(写真1-1).
コネクタの選定や評価が終わって,ボードがある程度完成すると,それをシステムに組み込み,ソフトウェアのデバッグなどが始まりました.しばらくすると,「信号を入出力できない」という報告が入りました.
写真1-1 SMAコネクタ(上)とSMPコネクタ(下)