回路テスタの選びかたから使いかたまで ――安価で手軽に使える基本的な測定器

立野 冬樹

tag: 組み込み

エレキ系DIY 2006年7月12日

●測定器には計測誤差がある

 通常,ホビー用途でテスタを使う分にはあまり気にする必要はありませんが,計測誤差(確度)というものがあります.テスタには取り扱い説明書などにかならず計測誤差の表記があります.そこには,例えば「DCV 0.1%rdg+2dgt」と表記されています.DCVとあるのは,直流の電圧測定モードの誤差を示しています.「rdg」は読み取り値です.つまり0.1%rdgは,「読み取り値に対して0.1%の誤差が含まれている」ということを示しています.これは1000Vと表示されたときに,1Vの誤差に相当します.

 「dgt」は表示の最小単位です.2dgtは最後のけたが最大2だけ違っている可能性を示しています.ディジタルで一発表示されると,ものすごく正確であるように錯覚しがちですが,実際には相当な誤差を含んでいるということを覚えておきましょう.

●電圧の最大定格が低い機種もある

 これも通常の使用,例えばマイコン・ボードなどの小信号の測定に使っている範囲ではまず気にする必要はありません.しかし昨今,真空管回路を使った電子工作が流行しており,中には1000V近い電圧を扱うアンプもあります.測定レンジにもよりますが,とくに廉価な機種は電圧の最大定格が数百V程度のものもあります.こういったテスタで不用意に高電圧を測定すると,瞬間的に壊れるだけでなく,事故やけがを誘発することもあります.

●あとかたづけはきちんと

 テスタはりっぱな精密計測器です.たとえ廉価なものであってもたいせつに取り扱いましょう.そういう姿勢を身につけておくと,将来しごとなどで高価な装置を扱う際にも自然に体が反応してくれます.

 昔はテスタを使い終わったら,電圧の最大レンジに合わせて収納するようにと言われました.最近の機種はすべて電源OFFのポジションがあるので,かならずそこに合わせて収納しましょう(写真25,26).オートパワー・オフ機能があるからといって手抜きをしてはいけません.技術に対しては,どんなささいなことでも手を抜かないのが優れたエンジニアです.

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写真25 切り替えスイッチにOFFがある機種

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写真26 電源スイッチが独立している機種.個人的にはこれが好き

                                       完

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