回路テスタの選びかたから使いかたまで ――安価で手軽に使える基本的な測定器

立野 冬樹

tag: 組み込み

エレキ系DIY 2006年7月12日

●電流測定時の注意

 電圧,抵抗とくれば,次は電流です.ただし,電流測定は回路中にテスタを挿入する形で使う必要があるので,それなりの回路を組まなければなりません.今回は使用上の注意だけ簡単に紹介します.電流を測定するときは,電圧や抵抗のときのようにテスタの設定を電流モードにし,さらにテスタ棒の差し込み口を変える必要があります.

 写真21は電圧や抵抗を測定するとき,写真22は電流を測定するときです.機種ごとに差異もあるので,詳しくは取り扱い説明書をよく読んでください.これはテスタを使い慣れていても意外とよく忘れる手順で,「電流モードにしているのに表示がゼロのまま....故障か?」と焦ることしばしばです.そもそも電流を測る機会が少ないということもありますが...(回路を切断しないと計測できないので,別な方法で測ることが多い).

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写真21 電圧や抵抗の測定位置

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写真22 電流の測定位置

●そのほかの機能

 電圧,電流,抵抗はテスタの基本機能ですが,機種によって特別な機能が追加されているものがあります.二つほど紹介しましょう.一つ目はコンデンサの容量計測機能です.写真23は計測のようすです.0.22μFのコンデンサを測定したところ,214.2nF(0.2142μF)と表示されています.コンデンサは10%程度の誤差があるのが普通です.一方,テスタはこの機種の場合0.8%(+3digit)の誤差なので,テスタの表示値がより正しい値に近いと考えられます.

 二つ目はトランジスタのhFE(エミッタ共通電流増幅率)測定機能です.これは中国製や韓国製のテスタによく付いています(写真24).実際,hFEは流す電流によって大きく値が異なるので,絶対値としての信頼度はあまり期待できません.しかし,ある一定条件の相対値を知ることはできるので,趣味の電子工作向けなど,簡易に特性の近いトランジスタを選別するときには重宝します.

 上記以外にも,周波数や温度,中には照度や騒音まで測れる機種もあります.どれも「おまけ」に近いので,得られる精度がどの程度かを見きわめて,目的に合ったものを選びましょう.

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写真23 コンデンサの容量測定

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写真24 トランジスタのhFE測定用ソケット

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