SamsungやLG.Philipsが60インチ以上の大型PDPテレビを展示 ――LCD/PDP International 2002
一方,国内メーカでは,シャープがプラスチック基板を用いた4.4インチ型TFT液晶ディスプレイを展示した(写真12).本ディスプレイは反射型である.ガラス基板の替わりにプラスチック基板を使用していること以外は,従来の反射型TFT液晶パネルと同じ構造を採る.プラスチック基板材料は住友ベークライトから調達した.本ディスプレイの画素数は240×240,画素ピッチは0.11mm×0.33mm.色数は262,144,重量は9gである.さらにシャープは,立体映像を表示できる液晶ディスプレイも展示した(写真13).これは2002年10月に開催されたCEATEC 2002で展示されていたものと同じパネルである.デモンストレーションの場所には長い列ができていた.
[写真12]シャープのプラスチック基板を用いた4.4インチ型TFT液晶ディスプレイ
本ディスプレイは反射型である.ガラス基板の替わりにプラスチック基板を使用していること以外は,従来の反射型TFT液晶パネルと同じ構造を採る.
[写真13]シャープの立体表示できる液晶ディスプレイ
デモンストレーションの場所には長い列ができていた.
このほか三菱電機は,色再現性が95%の17インチ型TFT液晶ディスプレイを展示した(写真14,写真15).光源としてLEDを利用している.本ディスプレイの輝度は500cd/m2,画素数は1280×768,コントラスト比は500対1.カラー・フィルタのスペクトル波形のピーク値とLED光源のスペクトル波形のピーク値を合わせて,色再現性と輝度を向上させたという.従来は冷陰極管を光源に利用しており,色再現性は75%程度だった.
[写真14]光源としてLEDを利用しているディスプレイの構造
本ディスプレイでは冷陰極管を光源の替わりにLEDを使っている.
[写真15]色再現性が95%の17インチ型TFT液晶ディスプレイ
カラー・フィルタのスペクトル波形のピーク値とLED光源のスペクトル波形のピーク値を合わせて,色再現性と輝度を向上させた.
また,セイコーエプソンは,視野角160度の2.2インチ型の半透過TFD(thin film diode)液晶ディスプレイを展示した(写真16).本液晶ディスプレイでは,TN(twisted nematic)材料や偏向板の改良などにより,視野角を広げたという.駆動方法はアクティブ・マトリックス方式.さらに,同社は携帯電話のサブ・ディスプレイ(1.1インチ型)とメイン・ディスプレイ(2.0インチ型)を一体化したTFDディスプレイ・モジュールを展示した(写真17,写真18).二つの液晶ディスプレイのドライバLSIを共通化し,メイン・ディスプレイの一辺に実装している.色数は262,144.メイン・ディスプレイの画素数は117×156,サブ・ディスプレイの画素数は88×64である.
[写真16]視野角160度の2.2インチ型の半透過TFDディスプレ
二つの液晶ディスプレイのドライバLSIを共通化し,メイン・ディスプレイの一辺に実装している.TN(twisted nematic)材料や偏向板の改良などにより,視野角を広げたという.
[写真17]サブ・ディスプレイとメイン・ディスプレイを一体化したTFDディスプレイの構造
二つの液晶ディスプレイのドライバLSIを共通化し,メイン・ディスプレイの一辺に実装している.
[写真18]サブ・ディスプレイとメイン・ディスプレイを一体化したTFDディスプレイ
サブ・ディスプレイは1.1インチ型,メイン・ディスプレイは2.0インチ型.
●振動するタッチパネルや立体映像用ディスプレイも展示
エスエムケイ(SMK)は,タッチ・パネルを押すとクリック音がなったり振動する8インチ型の光式タッチ・パネルを展示した(写真19).本タッチ・パネルを使用すると,外付けのバイブレータやスピーカなどが不要になる.本パネルは,赤外線検出式のタッチ・パネルと圧電素子を組み合わせて実現した.一つの圧電素子で音を鳴らしたり振動させたりしている.製品化は2003年秋ごろの予定.
[写真19]SMKの8インチ型の光タッチ・パネル
タッチ・パネルを押すとクリック音がなったり振動する.
また,サミーは,2枚の液晶ディスプレイを重ねて立体映像を表示する液晶モジュール「MLD(Multi-Layer Display)」を展示した(写真20).入力する映像信号については,前面ディスプレイ用と後面ディスプレイ用の二つが必要になる(写真21).本技術はニュージーランドのDeep Video Imaging社が開発した.
[写真20]サミーのMLD(Multi-Layer Display)
本技術はニュージーランドのDeep Video Imaging社が開発した.
[写真21]ディスプレイの映像信号入力部
入力する映像信号については,前面ディスプレイ用と後面ディスプレイ用の二つが必要になる.