[ keyword: 技術教育, ロボット, UML, 開発手法 ]

全国を11地区に分けて開催されるETロボコン,2011年は地区ごとに異なるミッションを用意

 ソフトウェアの設計とロボットの自律走行を競う競技会「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト(ETロボコン)」の2011年の開催概要が発表された.2011年は「中国・四国地区」を加えた全国11地区で地区大会が開催される.さらに,各地区ごとに工夫をこらした技術教育や技術交流を実施する.競技内容については現在策定中だが,コース上の難所の仕様を一部変更するほか,タイムを競う走行と難所に挑戦する走行のステージを分けて,難所に挑戦するチームが増えるように競技規約を変更する予定.また,倒立振子でもある走行体が転倒したときに保護するため,若干,形状を変更する.

 2011年に開催される地区大会は,北海道地区(北海道),東北地区(岩手県),北関東地区(埼玉県),東京地区(東京都),南関東地区(神奈川県),東海地区(愛知県),北陸地区(石川県),関西地区(京都府),中国・四国地区(広島県),九州地区(福岡県),沖縄地区(沖縄県)の11地区である.地区大会は9月~10月にかけて開催されるが,各地区での技術教育は5月から始まり,いずれの地区でも2回以上の技術教育と2回以上の試走会を大会までに実施する予定.本競技会は,ソフトウェア設計やソフトウェア開発についての技術教育をテーマに掲げている.企業の技術者や大学の研究者などで構成されるボランティア・スタッフが教育にあたるので,教育内容が充実している.

 地区ごとの取り組みもユニークだ.例えば関西地区では,「各チームの目標達成のプロセスをバックアップする」ことをテーマに掲げ,技術教育会や地区大会の時点で各チームの目標を明確にし,目標達成を助け,目標到達を振り返る機会を設ける.九州地区では,ソース・コードの品質評価や,モデル駆動開発の手順を審査の対象にすることを計画している.開催2年目となる北海道地区では,個人参加を検討している人どうしのマッチングを図る.また,開催予定地である札幌市以外の道内地域との連携を推進する.南関東地区では,大会のエキシビションとして400cmの直線走行の速さを競う「ゼロヨン」を実施する.

 ETロボコン2011の走行体は,倒立振子としてのバランス走行モードと,支えとなるストッパを下ろした完全自立停止モードを切り替えられる形状に変更された.これにより,停止モードの状態でBluetooth通信を使ってデータをやりとりすることが許可された.なお,本競技会は自律走行を競うため,走行モード中にBluetooth通信を使って走行体を遠隔制御することは認められていない.

 ETロボコンは,LEGO MINDSTORMSを使って組み立てた同じ仕様の走行体を使って,搭載するソフトウェアの設計と,ロボットの自律走行を競う競技会である.2002年に「UMLロボコン」として始まった同競技会は,2011年で10周年を迎える.ETロボコン実行委員会は,2012年以降の「次の10年」に向けてワーキング・グループを立ち上げ,新たな競技内容を検討している.2012年以降のETロボコンの方向性については,2011年11月に開催される「ETロボコン2011チャンピオンシップ大会」にて発表する予定.

 ETロボコン2011の実施説明会は,2011年2月~3月にかけて各地区にて実施される.参加申し込みは,2011年3月7日~4月6日まで受け付ける.また,本競技会は主に,技術教育という趣旨に賛同するボランティア・スタッフによって成り立っている.そのため,運営を担当する実行委員やスポンサを広く募集している.


[写真1] ETロボコン2011で使用する走行体(仮)


[写真2] 発表を行うETロボコン本部運営委員長の小林 靖英氏


[写真3] ETロボコンの参加チーム数と参加者数の推移

■連絡先
ETロボコン 事務局(株式会社アフレル内)
TEL: 03-6661-9609
URL: http://www.etrobo.jp/

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