キッズ&ファミリー歓迎のオープン・ハードウェア展示会,お台場にて開催される ―― オープンハードカンファレンス 2014 Tokyo/Winter
2014年1月11日,東京・お台場にあるコワーキング・スペース「MONO」において,オープン・ソース・ハードウェアの祭典「オープンハードカンファレンス 2014 Tokyo/Winter」が開催された(写真1,写真2).筆者も参加してきたので,その概要をレポートする.
オープン・ソース・ハードウェアとは,オープン・ソース・ソフトウェアと同じように,設計図などのソースが公開されているハードウェアのことであり,Arduinoなどがそれにあたる.オープンハードカンファレンスは,2013年2月と3月に「オープンソフトカンファレンス(OSC)」内の企画として開催されており,今回が3回目の開催となる.主催は秘密結社オープンフォース,共催は会場を提供したMONOと,日本Androidの会 秋葉原支部 ロボット部.
秘密結社オープンフォースは,オープン技術でイノベーションを行うことを目的に勉強会や開発活動を行うコミュニティである.なんとも怪しげなネーミングだが,「秘密結社」とは,オープンに対するアンチテーゼだろう.「オープン・ソースを世界中に普及させてHappyになろう」という野望を描いている.主催は河野 悦昌氏.河野氏は,地元である四国・徳島と東京のダブル生活で,オープン・システム普及のために,文字通り東奔西走している.
●セミナ会場とキッズ・コーナが隣り合わせのファミリー歓迎仕様
内容は,セミナ形式の勉強会とブース展示が主体である(写真3).セミナ会場は三つ設けられ,そのうちの一つは中継セミナとして大阪および博多のイベントと相互中継を実施した.
本イベントでは,「お子様連れのファミリー歓迎」という,子育てしながらでも勉強会や展示会に参加できるようにしようというスタンスが目立った.会場内に,ファミリー向けの体験コーナや子どもが遊べるキッズ・スペース,授乳・おむつ替えコーナが設けられている(写真4).一つの大きな空間の中で,展示会場やセミナ会場と共にファミリー向け体験コーナやキッズ・スペースが設けられていたため,会場内を子どもが走り回ったり,泣き声が響くこともたびたびあった.一部の来場者や出展者には,戸惑いの色を隠せない人もいたが,そこはご愛嬌.
●Arduinoなどを使ったユニークな展示が並ぶ
ブース展示には,一般企業3社を含む23団体が展示を行った.その一部を紹介する.
ADK勉強会(東京)は,自分の好きなキャラクタ(チェブラーシカ)とお散歩できる「チェブ台」を展示した(写真5).チェブラーシカの乗った台車は自走式になっており,中にAndroid携帯とArduino基板が入っている.台車の右前方のフックにはジョイスティックが仕込まれており,リード(引き綱)のテンションを検知して台車を自走させる仕組み.Android携帯から無線で制御することもできる.Android携帯とArduinoはUSBで接続しており,ADK(Android DevelopersのAccessory Development Kit)を用いて連携させている.
Future Versatile Group/GVCは,ホームICTを実現するためのシステム「GVC(Global Versatile Controller)」を展示した(写真6).本システムは,「だれでも簡単にホームICTやM2Mを実現しよう」というコンセプトのもと,LinuxなどのパソコンにPICなどのマイコン基板を接続し,それに各種センサやリレー,スイッチ,赤外線リモコンなどを接続したものである.各種モジュールが情報をやりとりするための独自プロトコルも定義している.ソフトウェア,ハードウェアとも仕様をオープンにしている.本システムによって,ホーム・ゲートウェイを介して外部から部屋の状態をセンシングしたり,AC100V機器をオン/オフ制御したりできる.