ヒトと協調する産業用ロボットはやはりヒト型? ―― 2013国際ロボット展

Tech Village編集部

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レポート 2013年11月 8日

 2013年11月6日~9日,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて,産業用・民生用ロボットや関連機器の展示会「2013国際ロボット展」が開催された(写真1).同展示会は2年に1回開催されており,今回で20回目を迎える.今回は出展者数が334社(団体含む)と,前回の272社を大きく上回り,過去最大規模での開催となった.また,年に1回開催されているロボットの国際会議「IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems(IROS)」が今回は本展示会と同時開催されていた.

 

写真1 受付のようす

 

 

●高速で正確に動く小型ロボットが人手作業を代替する

 不二越は,高速動作・高精度・軽量コンパクトを売りにした産業用小型ロボット「MZ07」を展示した(写真2).六つある各軸の最高速度は380°/s~1,000°/sで,同社の従来機に比べて37%向上できたという(合計最大速度).底面の台座のサイズは189.5mm×190.5mmで,A4用紙サイズの面積に設置が可能.デモンストレーションでは,並べて配置されたシャープ・ペンシルの先に高速動作で芯を入れてみせていた.また,本ロボットを使ったパター・ゴルフのデモンストレーションも行っていた.

 

写真2 不二越の「MZ07」

 

 

 中国などの新興国でも人件費の高騰,労働人口の減少が進む中,各種加工や小物搬送,組み立て,箱詰め,梱包などの人手作業に対応する小型ロボットの需要が拡大しているという.同社は,これらの需要に対応する製品として,本製品を2013年9月に発売した(発表資料はこちら).

 

●しなやかに動く双腕ロボット,移動も可能

 川田工業/カワダロボティクスは,人間が行っていた単純な繰り返し作業を代替できる,双腕産業用ロボット「NEXTAGE」を展示した(写真3).頭部にステレオ・ビジョンを備えており,対象物の三次元位置を把握する.また,両腕の先にもハンド・カメラを備え,対象物の詳細な位置を把握できる.本ロボットを搭載している台座の内部に画像認識システムを搭載しており,台座ごと自由に移動することができる.台座を含めた外形寸法は564mm×833.6mm×1735.6mm.重さは約130kg.

 

写真3 川田工業の「NEXTAGE」

 

 

 川田工業とグローリーは本ロボットを活用した自動組み立てラインを共同で構築しており,このシステムは2012年度の「ロボット大賞 次世代産業特別賞 産業用ロボット部門」を受賞している.


●「やること」を指示,やり方はロボットが考える

 セイコーエプソンは,自律的に判断して動きを制御する「自律型双腕ロボット」を参考出展した(写真4).ロボットに対象物と作業シナリオを指示するだけで,道具の持ち替えや対象物の向きの変更,搬送経路などについてはロボットが自律的に判断するという.例えば,対象物をつかんで移動させる軌道上に障害物があった場合,ロボットが障害物を検知して自動回避する.ロボットの設置場所や周囲の環境が変わった場合にも,即座に作業を開始できるという.

 

写真4 セイコーエプソンの「自律型双腕ロボット」

 

 

 双腕には多目的ハンドと力覚センサを搭載しており,人間の手を同じように力を制御しながらさまざまな形状,大きさの対象物を握る(つかむ)ことができる.本ロボットは今回の展示会で初公開とのこと(詳細はこちら).

 

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