全高16.5cmの二足歩行ロボットが展示デモ ―― 2007 国際ロボット展(iREX 2007)

北村 俊之

tag: 組み込み 電子回路

レポート 2008年2月25日

 2007年11月28日~12月1日,社団法人 日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は,「2007 国際ロボット展(iREX 2007)」を東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催した(写真1).今回で17回目(隔年開催)を迎える本展示会は,ロボットや応用システムの関連機器メーカ,大学研究機関などの199社,66団体/機関が参加し,過去最大規模での開催となった.

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[写真1] 会場受付の様子

 今回は,製造分野に関する「IR(産業用ロボット)ゾーン」の出展社数が大幅に拡大した.また「SR(サービス・ロボット)ゾーン」には,清掃や警備,災害対応などの分野で活躍が期待されるロボットが多数展示された.大学・公的機関のロボット技術を展示・実演する「RT(ロボット・テクノロジ)交流プラザ」や,ロボットの実演などを行うステージ「ロボットアクティブステージ」なども来場者の注目を集めていた.

 最終日の12月1日には,特別企画として,二足歩行ロボットの格闘技大会「ROBO-ONEグランドチャンピオンシップ IN iREX 2007」(主催:ロクスリー)が開催された.歴代優勝者など25チームがグランド・チャンピオンをかけてトーナメントを戦った.

● マイクロソフトがロボティクス・アプリケーション開発キットを展示

 マイクロソフトは,多様なハードウェア・プラットホーム向けのロボティクス・アプリケーション開発を容易にするソフトウェア開発キット「Microsoft Robotics Studio」を展示した.本製品は,ビジュアル開発言語(VPL:Visual Programming Language)を用いて,サービスを表すブロックを配置することによりプログラムを作成する.また,作成したアプリケーション・ソフトウェアによってパソコン上の3次元グラフィックス・モデルのロボットを動作させることも可能.同社のブースでは,本キットを利用したゼットエムピーやテムザックのロボット開発の事例が紹介されていた(写真2)

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[写真2] 「Microsoft Robotics Studio」を使用したゼットエムピーのデモンストレーション

● 全高16.5cmの二足歩行ロボット,「世界最小」

 タカラトミーは,2007年10月に発売された世界最小の二足歩行ヒューマノイド型ロボット「i-SOBOT」の展示デモンストレーションを行った(写真3).全高16.5cmの本ロボットには,独自開発の小型サーボ・モータが17個組み込まれている.また,ジャイロ・センサを搭載し,自動的にバランスをとるため,多彩なアクションが可能.専用コントローラがサポートしているプログラム・モードを利用すると,簡単にアクション・プログラムを組め,連続したアクションが楽しめる.

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[写真3] タカラトミーの二足歩行ヒューマノイド型ロボット「i-SOBOT」

● 実験を通してモータ制御や部品の特性を学習

 ロボテストは,ゼットエムピーが開発したモータ制御学習キット「e-nuvo BASIC」を展示した(写真4).本製品は,H8マイコンとAltera社製CPLD「MAX II」を搭載しており,抵抗値の読み方や半固定抵抗の特性,トランジスタのスイッチング作用,LEDなどの電子部品の特性を,実験を通して確認できる.また,ルネサス テクノロジが提供する統合開発環境「HEW」が付属する.

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[写真4] モータ制御学習キット「e-nuvo BASIC」

● 災害時の救援にも,床下点検にも使えるクローラ・ロボット

 トピー工業は,災害時の救援活動や床下点検に用いるクローラ・ロボット「T-01」,「S-90」などを展示した(写真5).「T-01」は,人が接近困難となった地下街やビルなどの災害現場に到達するための走行機能と高い段差を乗り越える機能を備えた探査ロボットである.全長は1,025mm,重量は60kg.4基のネットワーク・カメラの画像を表示する専用のコントローラを用いて,周辺状況を確認しながら目標地点に到達する.操縦は,無線LAN方式と300mの光ファイバを内蔵した有線コントロール方式を併用する.「S-90」は,全長380mm,重量6kgの小型の床下点検ロボットである.高輝度LED照明を装備しているため,暗い場所でも鮮明な画像の収集が可能.無線LANによって遠隔操作する.

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[写真5] トピー工業のクローラ・ロボット「T-01」

● 名刺サイズのモータ・ドライバを千葉工業大が開発

 千葉工業大学とピューズは,名刺サイズ(90mm×55mm)の小型モータ・ドライバ「fuRo Motor Driver」を展示した(写真6).本製品は,パソコン(OSはART-Linux)とCANバスを接続することで,多センサ/多モータ制御系システムを容易に構築できるという.また,CANバス経由のコマンド制御で,ボードの機能を簡単に利用できるライブラリ(角度,速度,電流ベクトル制御,センサ情報取得など)も実装している.本製品は「次世代ロボット共通基盤開発プロジェクト(NEDO)」において,千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)が開発し,ピューズが製作を担当した.

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[写真6] 千葉工業大学が開発した小型モータ・ドライバ「fuRo Motor Driver」

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