Tech Village写真館:日本科学未来館 メディアラボ 第12期展覧会「現実拡張工房」
tag: 組み込み 電子回路 Interface インターフェースZERO
写真館 2013年7月10日
●大きくなったり小さくなったり
次は,動く建築を目指して作られた「MorPhys(Morphing Physical Environmentの略,モーフィスと発音)」です.この3角すいの骨組みのような立体物は,パソコンから指示を送ることにより,1辺の長さを最短15cmから最長4mまで伸縮させることができます.例えば,小さくしてかばんに入れて持ち運び,設置したい場所に置いて大きくすれば仮設テントの出来上がり,なんてことが実現できるわけです.
写真4 伸縮自在の立体物「MorPhys」

伸縮の仕組みは,スチール製の巻尺3個で実現されています.3本の巻尺を面ファスナー(いわゆる「マジック・テープ」.米国では「Velcro」として知られる)で固定しながら,一つの巻尺をモータで駆動して伸縮させています.パソコンからの指示は,XBeeの無線モジュール経由で伝わります.
写真5 巻尺を組み合わせて作ってある

写真6 MorPhysの伸縮部分の構造

三角形を組み合わせれば,さまざまなポリゴン(多角形)を構成できます.研究開発を担当した武井 祥平氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科 学術支援専門職員/ノメナ 代表取締役)によると,将来的な応用として,テントやシェルタなどの仮設建築物としての利用や,在室人数が少ないときは収縮して空調効率を高める部屋など,新しい建築や表現につなげたい,とのことでした.