組み込みOSの悩みを解決するWindows Embeddedとワークステーション ―― WindowsXP サポート終了と複雑なライセンスにも対応
組み込みキャッチアップ |
産業/医療/商業/アミューズメントなどさまざまな分野で,ワークステーションの利用が急増しています.一般のPCと比較して長期供給可能なワークステーションは,長期供給が可能なWindows Embeddedと相性がぴったりです.そこで,インテル® Xeon® プロセッサー搭載の日本HP社のワークステーションとWindows Embeddedの販売に実績のある菱洋エレクトロ(株) MSIS推進部の福田 佑亮氏(写真1)に今なぜWindows Embeddedとワークステーションなのか伺いました.また2014年4月19日にサポートを終了するWindows XPに関するユーザーの動向についてもお聞きしました.
●組み込み用プラットフォームとして用途が広がるワークステーション
―― 日本HP社のワークステーションとWindows Embeddedを組み合わせることになった背景は
福田氏:当社では15年以上前から日本HP社のワークステーションを扱ってきました.以前は,CADツールのプラットフォームなどハイエンド・エンジニアリング向けの用途が主体でした.しかし最近では,高い信頼性が求められる産業/医療/商業/アミューズメントなどの組み込み用コンピュータとして使われるケースが増えています.
また,当社は日本マイクロソフト社のWindows Embeddedを長く取り扱っており,長期間安定した組み込みプラットフォームとして,その二つを組み合わせてさまざまなお客様にご提案しています.
―― 組み込み向けにワークステーションを使用するメリットは
福田氏:これまでは,汎用PCもしくは専用のFA向けPCいずれかの選択が多かったのですが,どちらも一長一短があります.汎用PCは安価ですが信頼性や供給期間に問題があり,FA向けPCは高価なのが難点です.ワークステーションはFA向けPCよりも安価で,汎用PCより信頼性が高く,供給期間も比較的長い利点をもちます.
特に日本HP社のワークステーションは業界でトップシェアであり,国内製造(東京で生産)なので信頼性が高いです.標準保証で土日祝日のオンサイトが含まれるなどサポートが充実していますが,価格がリーズナブルです.また,サーバで使われているインテル® Xeon® プロセッサーなど,最新テクノロジーの採用や,大容量メモリ,高性能グラフィックス,豊富な拡張ボードなど,高性能と安定稼動の両立ができているのも大きな利点ですね.
●Windows XPサポート終了を前にして
―― 来年2014年4月9日にWindows XPのサポートが終了しますが,Windows XPのまま継続しているお客様も多いのですか
福田氏:当社の場合は多いですね.その点,日本HP社では,Z220/Z420/Z820シリーズ(写真2)については販売完了までXP用ドライバのサポートを表明しているので,安心してXPを使っていただいています.また長年使われてきたOSなので,お客様が自前でメンテナンスすることもあります.
―― Windows XPからWindows 7などに乗り換えるお客様は
福田氏:そろそろWindows XPからWindows 7に乗り換えるタイミングと考えるお客様も多くなっています.Windows Embeddedは製品リリース後,15年間の供給を保証しますので,このタイミングでWindows 7を使い始めても,将来にわたって長く使い続けることができます.組み込み市場におけるWindows Embedded製品の導入実績が将来のWindows 7のロングサポートへの安心感につながっております.
また,一般のWindows 7からWindows Embeddedの7に乗り換えるお客様も増えています.昨年末にWindows 8がリリースされたので,プレインストールのWindows 7が遠からず使えなくなると不安に思っているお客様が多いのだと思います.一般的に,大手PCベンダーの場合,Windows 8リリース後,一定の期間をおいてプレインストールOSは全て旧OSであるWindows 7からWindows 8に切り替わります.日本HP社ワークステーションとWindows Embeddedのソリューションであれば,継続してWindows XPやWindows 7を搭載したワークステーションを使うことが可能です.
●Windows Embeddedは特定用途にしか使ってはいけない
―― Windows EmbeddedはどのようなOSですか
福田氏:組み込み向けのWindowsです.汎用PCにプレインストールされたWindowsと全く同じ機能を持つWindows Embedded Enterpriseと,開発ツールでOSをカスタマイズするWindows Embedded Standardに主に大別されます.
当社でまずワークステーション向けにご提案しているのはWindows Embedded Enterpriseです.またWindows Embeddedは,製品リリースから15年間の供給が保証されます.Windows XPならば,2016年12月まで供給されます.
―― Windows Embeddedと一般のWindowsの違いは
福田氏:一般のOSとは完全互換と考えていただいて構いません.最大の違いは,Windows Embeddedを使用できる条件は特定用途向けの機器に限られることで,汎用OSとしての使用は認められていません.
―― Windows Embeddedのライセンス契約方法は
福田氏:当社を通じてMicrosoft社とライセンス契約します.日本HP社のワークステーションにOSやアプリケーションを組み込んでご納品することも可能です.勿論,別々に購入することもできます.Windows Embeddedの購入方法などはお客様に最適なスキームをご提案いたします.当社で丁寧にサポートしますのでどうぞご相談ください.
―― OSや,アプリケーションのインストールはどうですか
福田氏:いろいろな方法があります.たとえば,お客様の方でアプリケーションを開発して,OSと共にインストールしていただくとか,また当社の協力ベンダでアプリケーション開発を受託し,OSとアプリケーションを一括インストールし,ワンストップでご納品することもできます(図1).これはWindows Embeddedの大きな特長ですが,OSとアプリケーションを搭載したCD-ROMなどのリカバリメディアをお客様の方で作成し,組み込み機器と共に配布することも,ライセンス上認められています.キッティング作業やフィールドでのメンテナンスを容易にし,コスト削減につながります.
●菱洋エレクトロのもつ強み
―― 最後に菱洋エレクトロの強みについてもお聞かせください
福田氏:日本HP社のワークステーションとWindows Embeddedの両方について当社には長い経験と豊富な実績があり,当社独自のソリューションを持っています.さらに,FAや計測,制御といったハードな組み込み技術も得意です.当社ならワンストップでお客様に適切なソリューションを提供することができます.
また当社は,全国の拠点にマイクロソフト担当者を常駐させています(図2).組み込み用のライセンスは使用上の制約もありますが,当社では常に最新情報をもとに確かなサポートを提供しております.
ご案内:日本HP社のワークステーションとWindows Embeddedを組合わせたソリューションはこちらです
みやざき・ひとし
(有)宮崎技術研究所
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