距離計測からロボット・ハンド制御,ラジコン空撮まで,3D情報を取り扱うアプリケーションが続々 ―― 第20回 3D&バーチャル リアリティ展(IVR)

北村 俊之

tag: 組み込み

レポート 2012年6月27日

●人間の指に近い動きをする5本指ロボット・ハンドを展示

 日本バイナリーは,人間の指に近い動きをする英国Shadow Robot社の5本指ロボット・ハンド「Shadow Dextrous Hand」,およびこれをリアルタイムにコントロールする米国CyberGlove Systems社製の「CyberGlove」を展示した(写真5).

 

写真5 日本バイナリーが展示した「Shadow Dextrous Hand」および「CyberGlove」

 

 

 CyberGloveは,18個または22個のセンサを内蔵したデータ・グローブで,独自の抵抗屈折感知技術を用いて,手や指の動きをリアルタイムに関節角度のディジタル・データへ変換する.グローブが内蔵するセンサは,極薄で柔らかく,5本の指および手のひらの曲げとそりを測定し,パソコンへデータを転送する.ケーブル接続タイプに加えて,ワイヤレス接続の「CyberGlove II」も用意する.また,オプションとして各指と手のひらに振動刺激による触覚を与えるアクチュエータ「CyberTouch」も提供する.

 Shadow Dextrous Handは,ヒューマノイド・ロボット・ハンド・システムで,手の指の動きを24軸の自由度で再現する.人間の手と同等の把持力制御と動作感度を実現できるように設計されており,卵や電球のような物体も握りつぶすことなく把持できる.力/位置制御回路,モータ駆動回路,モータ,ギア・ボックス,力センサ,インターフェースなどの機構はコンパクトな本体に収納されている.右手モデルのほか,左手モデルや3本指モデルも用意する.ブースの説明員によれば,本ロボット・ハンドは,原子力発電所内などで人間が近づきにくい場所などでの作業に採用されているという.

 

●飛行中のラジコン・ヘリが画像を地上へリアルタイム伝送

 快適空間FCは,飛行中に撮影した画像をリアルタイムに伝送できるラジコン・ヘリ「MKコプター」を展示した(写真6).飛行中の画像は950MHzのトランスミッタにより地上に伝送する.地上でモニタの画像を確認しながら,カメラの角度調整やシャッタ,ズーム(最大10倍)などの遠隔操作を行える.

 

写真6 快適空間FCの「MKコプター」

 

 

 ロータ数は4~8で,それぞれブラシレス・モータで駆動している.ロータの回転数を調整してヘリの進行方向を制御する.反作用の影響を抑えるため,ロータの各モータは回転方向が異なっている.操縦可能範囲は最大1.5km,画像伝送可能範囲は最大1km.バッテリにはリチウムポリマ電池を採用した.1回の飛行時間は約15分程度.

 GPSの位置情報と画像をリンクさせることも可能.操縦機を手放しても同じ位置にとどまり,自律的にホバリング飛行を続ける機能や,飛行開始地点に戻る機能を備えている.3m離れた場所での音圧は65dB~70dB程度.風速12m/sの環境でも飛行可能.

 日本の電波法で定められた規定を満たしており,免許なしで利用できる.半径600m以内の一番高い地点から高度300m以内であれば,自由に飛行させることが可能.

 

 

きたむら・としゆき

 

 

 

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