ホワイト・ボードがタッチパネルに,洗面台がディスプレイに,一歩踏み出したディジタル・サイネージ ―― デジタルサイネージ ジャパン 2012

北村 俊之

tag: 組み込み

レポート 2012年6月20日

●4K映像を再生できるパソコン不要の非圧縮動画再生装置

 グラフインは,民生機器の4K映像インターフェースに採用されるHDMI 1.4aに対応した非圧縮動画再生装置「MACH-REC Lite」を展示した(写真5).HDMI 1.4aでサポートされる4K24P(4096ピクセル×2160ピクセル,24フレーム/s),4K30P(3840ピクセル×2160ピクセル,30フレーム/s)フォーマットに対応している(大型ポスタに使用できる写真画質に相当).圧縮された動画に比べ,高精細で元映像に忠実な動画を再生できる.

 

写真5 グラフインの「MACH-REC Lite」

 

 

 本再生装置は,メニュー表示と操作ボタンで操作可能なセットトップ・ボックス型であり,パソコンなしで使用できる.パソコンから動画メモリ(480Gバイト)にデータをアップロードするためのインターフェースとして,USB 2.0とPCI Express(×4,オプション)を用意している.すでに記録されている本再生装置同士のデータ・コピー機能や4Kテレビを複数台同期運転する機能も搭載している.外形寸法は100mm×230mm×150mm,重さは3.5kg.再生時間は連続約10分(4K30P RGB24ビットの場合).


●クアッド・スクリーン・プレーヤとセンサでモーション制御を実現

 コンテックは,ディジタル・サイネージ・プレーヤ「DS-280H」を展示した(写真6).同社の製品とMicrosoft社の「Kinect」,ネクストシステムのモーション・コントロール・ソフトウェア「ARtist」を組み合わせ,ジェスチャで操作できるユーザ・インターフェース・システムの展示を行った.今回のデモンストレーション・システムは,「DS-280H」にWindows Embeddedを搭載し,Kinect for Windows SDKを利用して開発したもの.

 

写真6 コンテックの「DS-280H」を使ったモーション・コントロール・システム

 

 

 DS-280HはフルHD(1080p)画面を表示できるHDMI出力を四つ搭載している.GPUとして「ATI Radeon E4690」を,CPUとしてTDP(熱設計電力)が45Wの低電圧版デュアルコア・プロセッサ「AMD Athlon II XLT V66C」を搭載している.


●アナログ入力信号にも対応したディジタル・マトリックス・スイッチャ

 アストロデザインは,大型のディジタル・サイネージを効率的に構築可能な,HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection;コンテンツの不正コピーを防止する著作権保護技術の一つ)対応のディジタル・マトリックス・スイッチャ「メディアインテグレータ MI-2100」を展示した(写真7).本機器は,アナログの入力信号(映像および音声)をディジタル信号に置き換えることで,入出力ともにディジタル信号規格のHDMIに対応している.本体固定のHDMI入力×2チャネル,HDMI出力×2チャネルを含み,最大68チャネルの接続が可能.

 

写真7 アストロデザインの「メディアインテグレータ MI-2100」

 

 

 複数の入力周波数を一つの出力周波数に変換するスキャン・コンバータ機能を内蔵し,さまざまな映像機器と接続できる.解像度の変換については,出力チャネルごとに個別のタイミング設定や拡大・縮小処理を行える.入出力で異なる映像タイミングの設定や,映像の取り込み位置の調整が可能.最大画像解像度は2048ピクセル×1200ピクセル.このほか,運用スケジュールを設定できる時計機能や,入力ウィンドウごとに設定できるオンスクリーン表示機能などを備える.

 

きたむら・としゆき

 

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